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The Hacker News

Microsoft、セキュリティ特化型AI「MAI-Cyber-1-Flash」を導入――脆弱性実証テストで95.95%を記録、コスト半減も主張

要点

  • Microsoftは、脆弱性の識別や修復を行う独自システム「MDASH」向けに、初のセキュリティ特化型AIモデル「MAI-Cyber-1-Flash」を導入した。

  • 新モデルと「GPT-5.4」を組み合わせた構成は、脆弱性の再現テスト「CyberGym」において95.95%の成功率を記録した。

  • この新構成は、従来のモデル組み合わせと比較して運用コストを50%削減できるとMicrosoftは主張している。

  • 新モデルは単体での一般公開はされず、「Azure AI Foundry」のプライベートプレビューを通じて承認された顧客にのみ提供される。

  • リード文:

  • Microsoftは、システムの脆弱性を自動検出・修復するマルチモデルプラットフォーム「MDASH」において、初のセキュリティ特化型AIモデル「MAI-Cyber-1-Flash」を導入した。この新モデルを高性能な「GPT-5.4」と組み合わせた構成は、検証環境での脆弱性再現テストにおいて95.95%の成功率を達成したという。同社はこの新たな構成により、従来比で約半分の運用コストで同等の性能を実現できると説明している。

  • 本文:

  • 「MAI-Cyber-1-Flash」は、MDASHのタスクのうち最大90%を処理するように設計されている。残りの最も処理が難しいとされる10%のタスクのみを「GPT-5.4」へ引き継ぐルーティング(振り分け)構造を採用しているのが大きな特徴だ。このモデルは一般向けAPI(外部連携のための仕組み)としては提供されず、MDASH専用となる。アクセスは、クラウドサービス「Azure AI Foundry」のプライベートプレビューを通じて承認されたMDASHの顧客のみに制限されている。

  • 同モデルは「Mixture-of-Experts(MoE:複数の専門モデルを組み合わせる手法)」を採用し、総パラメータ数1370億(稼働パラメータ数50億)、256,000トークンのコンテキストウィンドウ(一度に処理できるテキスト量)を備える。本モデルは、先行開発されていたコード生成モデル「MAI-Code-1-Flash」をベースに、セキュリティ分野に特化したファインチューニング(追加学習)を施したものであるという。

  • 今回の「95.95%」というスコアは、新モデル単体ではなく、MAI-Cyber-1-FlashとGPT-5.4を組み合わせたシステム全体で達成されたものだ。評価に使われた「CyberGym Level 1」は既知の脆弱性の再現テストであり、AIエージェントに脆弱性の説明と未修正のコードを提供し、動作するPoC(脆弱性の存在を証明する実証コード)を生成できるかを検証する。そのため、未知の脆弱性を発見する能力や、生成された修正プログラムの正確性までは測定していない。

  • なお、CyberGymの公開リーダーボードには、2026年7月28日時点でこの結果は掲載されておらず、Wiz社の「Atlas」が90.9%で首位となっている。また、今回の95.95%という数値は、同社が6月に報告した「96.55%」(標的以外の要因によるクラッシュも成功と判定したもの)と測定基準が同じか明記されていないため、単純比較はできない。

  • コスト削減効果の検証も現時点では難しい。Microsoftは、従来の最良構成(GPT-5.4、GPT-5.4 mini、GPT-5.3 Codex)と比較してコストを半減できるとするが、トークン消費量や呼び出し回数、レイテンシ(処理遅延)などの詳細データが非開示であるため、外部での再現や検証は困難な状況だ。

  • これに関連して、Microsoftのセキュリティ担当バイスプレジデントであるテス・キム(Taesoo Kim)氏は「モデルは入力の一つに過ぎず、それを取り巻くシステム全体こそが製品である」と述べている。今回の成果は個別モデルの性能というよりも、処理コストとタスクの難易度に応じてモデルを切り替えるルーティングシステムの有用性を示したものだと言える。

  • モデル単体での評価テストでは、CVEBenchで0.314、脅威インテリジェンスで0.553、マルウェア解析で0.33、CRSBenchで0.651を記録した一方、カーネル(OSの基幹部分)レベルのテストではスコアが0であった。

  • 補足:

  • 今回の取り組みは、企業のセキュリティ対策においてAIをより実用的なコストで導入するための道を開くものとなる。しかし、テストの測定基準やコスト詳細の開示レベルから見ても、本環境における真の実用性を判断するには、今後のさらなる詳細データの公開や、実環境での検証を待つ必要がありそうだ。

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