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MikroTikの「RouterOS」に権限昇格の脆弱性、SSHログイン処理における引数処理の不備が判明

要点

  • MikroTikが提供するネットワーク機器向けOS「RouterOS」に、コマンド引数の処理不備に起因する権限昇格の脆弱性(CVE-2026-86060)が判明した。

  • 禁止文字から始まるユーザー名がSSHログイン経由で入力された際、信頼されたポリシーマスクが書き換えられる不具合が存在する。

  • 脆弱性の悪用には、未認証のSSHセッションがRouterOSのログイン処理機構(ログインヘルパー)に到達できる状態であることが条件となる。

  • 開発元のMikroTikにより修正版がリリースされており、Long-term版の6.49.21および7.23.4、Stable版の7.24.2で対応が行われている。

  • ネットワーク機器メーカーのMikroTikが開発するオペレーティングシステム「RouterOS」において、権限昇格を可能にする脆弱性が確認された。米国の国立標準技術研究所(NIST)が管理する脆弱性情報データベース「NVD(National Vulnerability Database)」に「CVE-2026-86060」として登録され、セキュリティ機関CERT.PLや開発元からの関連情報が公開されている。SSH経由のログイン処理におけるコマンド引数の扱いに問題があり、特定の手順によってシステム内の権限管理設定が変更される恐れがあるという。

SSHログイン処理における引数検証の欠陥

今回明らかになった脆弱性「CVE-2026-86060」は、コマンド内の引数区切り文字に対する不適切な無害化(Improper Neutralization of Argument Delimiters in a Command)に分類されるセキュリティ上の欠陥である。RouterOSのSSH(暗号化通信を用いて遠隔操作を行うプロトコル)ログイン経路において、ユーザー名の処理ロジックに不備が存在していた。

具体的には、システム側で禁止されている特定の文字から始まるユーザー名が指定された場合に、入力値の検証や区切り文字の処理が適切に行われない。この処理の隙を突くことで、本来は保護されているはずの「ポリシーマスク(システムの権限や許可された操作範囲を定義する内部パラメータ)」を書き換えることが可能になるという。この結果、悪意のある入力によって意図しない特権が付与され、権限昇格へと至る仕組みとなっている。

攻撃成立の条件とシステムへの影響

NVDの公開情報によると、この脆弱性を悪用するためには、攻撃者側の未認証SSHセッションがRouterOSの「ログインヘルパー(ログイン認証を仲介・支援する内部プロセス)」に直接到達できる環境が必要とされる。

SSH接続が許可されているネットワーク環境において、認証前のセッションからログインヘルパーに対して細工されたユーザー名情報が渡されると、内部の引数処理ルーチンで不備が誘発される。システム全体の信頼性を担保するポリシーマスクが改ざんされると、本来制限されているはずの操作や設定変更が許可されてしまうため、機器の制御権限に直接的な影響を及ぼす脆弱性として報告されている。

修正バージョンの公開と提供状況

開発元のMikroTikは本脆弱性への対応を完了しており、複数のリリース系統に向けて修正済みソフトウェアを提供している。

修正が適用されたバージョンは以下の通りである。

  • Long-term(長期サポート版):バージョン 6.49.21
  • Long-term(長期サポート版):バージョン 7.23.4
  • Stable(安定版):バージョン 7.24.2

MikroTikの公式フォーラムでは、これら各バージョンのリリースノートおよびセキュリティ修正に関するアナウンスが順次掲載されている。また、2026年9月付のセキュリティ情報としても本件に関するドキュメントが公開されており、旧バージョンを利用している環境に向けたアップデートが案内されている。

関連機関による報告とNVDでの状況

本脆弱性に関しては、ポーランドのコンピュータ緊急対応チームであるCERT.PLからも関連情報や注意喚起が公開されている。

米国のNVDにおけるレコードでは、本脆弱性は現在「Awaiting Enrichment(追加情報の付与待ち)」のステータスとなっており、NISTによる詳細なCVSS(共通脆弱性評価システム:脆弱性の深刻度を評価する指標)の深刻度スコア(Base Score)の算定は「N/A(未算定)」と表示されている。今後、外部ソースから提供されたベクトル情報などを参照し、さらなる分析や情報の充実化が進められる見通しである。

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