OWN NEWS GATHER
← 戻る
cve

MikroTikの「RouterOS」にSSH認証を回避される脆弱性、修正版がリリース

要点

  • MikroTikが提供するネットワーク機器向けOS「RouterOS」に、SSH接続時の認証を回避できる脆弱性(CVE-2026-67279)が判明した。

  • クライアント側から暗号鍵の再交換を要求することで、認証プロセスを経ずに接続プロトコルへ移行し、コマンド実行要求を送信できる状態になっていた。

  • 本脆弱性の悪用により、設定情報や診断データを含むRouterOS管理下のファイルが未認証で作成・上書き・再構築される恐れがある。

  • 脆弱性評価基準CVSS v4.0において、基本スコアは6.9(深刻度:MEDIUM)と算出されている。

  • MikroTikは、本問題を修正したバージョン「6.49.21」「7.23.4」「7.24.2」を公開している。

  • 米国立標準技術研究所(NIST)が運営する脆弱性データベース「NVD(National Vulnerability Database)」において、2026年9月23日付でMikroTikのネットワークOS「RouterOS」に関する脆弱性情報「CVE-2026-67279」が公開された。

  • 本脆弱性は、SSH(通信を暗号化して遠隔操作を行うプロトコル)の処理フローにおける適切な制御の欠如に起因するもので、未認証の第三者が遠隔から特定の操作を実行可能になる問題だという。

  • 公表に合わせて、発見元の分析情報やCERT.PL(ポーランドのセキュリティインシデント対応チーム)によるアドバイザリ、ならびにMikroTik公式の修正版ソフトウェアが案内されている。

鍵再交換に伴う認証フローの不備

公開された情報によると、今回の脆弱性はRouterOSのSSHサーバー機能における振る舞い制御の不備(Improper Enforcement of Behavioral Workflow)に分類されている。

通常、SSH接続では通信経路の暗号化を確立した後にユーザー認証を行い、認証が成功した後にセッションチャネルを開いて各種コマンドを実行するフローをたどる。しかし、影響を受けるRouterOSのビルドでは、クライアント側から鍵再交換(rekey:通信中に暗号鍵を更新する手続き)が要求された際、ユーザー認証が一切試行されていない状態であっても接続プロトコル(connection protocol)へと移行してしまう処理構造になっていた。

この挙動により、攻撃者は正当な認証情報を入力することなくセッションチャネルを開設し、コマンド実行要求(execリクエスト)をサーバーへ直接送信することが可能になっていたという。

管理下ファイルに対する未認証の作成・上書きリスク

SSHサーバーが未認証のクライアントから送られたコマンド実行要求を受け取ると、影響を受けるシステム上ではそのコマンドがディスパッチ(処理の割り当て・実行)される。

これにより、RouterOSが管理しているファイル名前空間(file namespace)に対して、認証を経ることなくファイルの新規作成、既存ファイルの上書き、あるいは再構築が行われる状態となる。対象となるファイルには、システムの詳細な設定情報や診断データが含まれるサポートファイルなども含まれているという。

ネットワーク機器の設定情報や診断データが第三者によって改ざんされたり、不正なファイルが配置されたりすることは、機器の運用やセキュリティ管理において直接的なリスクとなる。

CVSS v4.0による深刻度評価

本脆弱性の深刻度については、CVEの採番組織(CNA)であるCERT.PLによってCVSS v4.0(脆弱性の深刻度を評価する国際基準の最新版)に基づく評価が実施されている。

公表されたCVSS 4.0の基本値は「6.9」で、深刻度レベルは「MEDIUM」と判定された。評価ベクター(詳細項目)の内訳は以下のとおりとなっている。

  • 攻撃元区分(Attack Vector: AV):ネットワーク(N)
  • 攻撃条件の複雑さ(Attack Complexity: AC):低(L)
  • 攻撃に必要な特権(Privileges Required: PR):不要(N)
  • ユーザー関与(User Interaction: UI):不要(N)
  • 脆弱性対象への影響(Vulnerable System Metrics):機密性 低(VC:L) / 完全性 低(VI:L) / 可用性 なし(VA:N)
  • 後続システムへの影響(Subsequent System Metrics):機密性 なし(SC:N) / 完全性 なし(SI:N) / 可用性 なし(SA:N)

なお、NVDによる独自の評価スコアは、現時点では未提供(N/A)のステータスとなっている。

公開された修正バージョンと関連情報

MikroTikは、本脆弱性に対応するための修正版ソフトウェアをすでに公開している。修正が適用されたバージョンは以下の3系統である。

  • Long-term(長期サポート版):バージョン 6.49.21
  • Long-term(長期サポート版):バージョン 7.23.4
  • Stable(安定版):バージョン 7.24.2

関連情報として、セキュリティ企業のBishop Foxによる解析記事「mikrotrick-inside-the-routeros-takeover-chain」や、CERT.PLによるアドバイザリ、およびMikroTik公式フォーラムの各バージョン向けリリースノートが参照先として提示されている。

元URL