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AWS ML Blog

monday.com、Amazon Bedrockを活用した本番AIエージェントの運用実績を公開 開発者のPRスループットが5割以上向上

要点

  • タスク管理ツールを展開するmonday.comが、Amazon Bedrock上で動作する本番AIエージェントの運用規模とアーキテクチャを公開した。
  • 同社内では開発者の90%が毎月AIコーディングツールを利用しており、エンジニア1人あたりのプルリクエスト送信数が50%以上向上した。
  • 社内エージェントシステム「Sphera」では、AIエージェントが人間と同じチームメンバーとして扱われ、同一のタスクリストを共有している。
  • Slack、GitHub、monday.comの3つの窓口からの要求を、単一のエージェントシステムで統合して処理するアーキテクチャを採用している。

リード文

クラウド型タスク管理ツールを提供するmonday.comは2026年7月22日(現地時間)、Amazon Web Services(AWS)の生成AIサービス「Amazon Bedrock」上で動作するAIエージェントを本番環境で大規模運用している実績と、そのシステムアーキテクチャをAWS ML Blogを通じて明らかにした。同社の報告によると、AIツールの導入によりエンジニア1人あたりのプルリクエスト(開発者が作成したコードの変更を本番環境へ統合するために送る要求)の処理能力が大幅に向上しているという。本番環境へのAIエージェント統合は、10年以上運用されてきた既存の巨大なコードベース(プログラム群)を改修する形で行われた。

本文

10年物の巨大システムへのAIエージェント導入

monday.comは、新規の小規模なシステムではなく、数百万人の有料ユーザーと数百のマイクロサービス(大規模なシステムを、独立して動作する複数の小規模なサービスに分割して構築する開発手法)を抱える歴史ある大規模コードベースに対してAIエージェントを導入した。数百人規模のエンジニア、プロダクトマネージャー、アナリスト、デザイナーが在籍する同社では、稼働中のシステムを維持しながらAIエージェントを稼働させることが極めて重要だったと説明している。

同社におけるAI活用の進展は、以下の3つのレベルに分類されている。

  • レベル1(アシスタント): 開発者がペアプログラマー(二人一組で共同してプログラミングを行う開発の役割)としてAIを使用する段階。同社では、反射的で素早い作業には「Cursor」、負荷の高い作業には「Claude Code」を使い分けており、利用率は前年比でほぼ倍増した。
  • レベル2(スキルとサブエージェント): チームが繰り返し発生する定型業務のために、再利用可能なエージェントを構築する段階。開発者が主導権を握るこの段階において、開発者個人のプルリクエストのスループットが50%以上向上した。
  • レベル3(マルチエージェント): エージェントがタスクの引き受けからコードのデプロイ(開発したプログラムを実際のサーバー環境に配置して利用可能にすること)までをエンドツーエンドで自律的に担当する段階。エンジニアはエージェントの調整役に回り、エージェントはSlackやmonday.com上で人間と対話しながら業務を進める。

人間と並ぶチームメイトとしてのAIエージェント「Sphera」

monday.comが構築した社内のエージェントシステム「Sphera」では、AIエージェントを単なる作業キュー(処理待ちのタスク一覧)ではなく、人間のメンバーと同等の「チームメイト」として定義している。
Spheraのチームページには人間とAIエージェントが混在してリストアップされており、それぞれにプロフィール、マネージャー、担当範囲、およびパフォーマンススコアが割り当てられている。

例えば、同システム内で稼働する「Atlas」というソフトウェアエンジニア向けエージェントは、特定の開発環境を持たず、人間のエンジニアと同じバックログ(システム開発において優先順位付けされた未処理のタスクリスト)からチケットを自律的に取得し、プルリクエストを作成して機能をリリースする役割を担う。エージェントはSlack、GitHub、monday.comなどのツール上で固定の識別情報(アイデンティティ)を持ち、人間のチームメンバーは通常の人材と同様に、エージェントへタスクを割り当てたり、コードレビューを行ったり、必要に応じてエージェントの活動を一時停止したりすることができる。

3つの窓口を統合するアーキテクチャとAWSの連携

monday.comが開発したエージェントは、3つの主要なインボックス(窓口)を持つ。これらは、Slackでの「@メンション」、monday.comの「アイテムへの割り当て」、そしてGitHubでの「プルリクエストレビュー要求」である。これら異なるソースからの要求は、すべて同じエージェントの実行セッションに送られ、ディスク上の共通のメモリやワークスペースを利用して同一の処理フローで処理される。つまり、用途別に複数のエージェントシステムを立ち上げるのではなく、単一のシステムで効率的に運用している点が特徴である。

アーキテクチャの構成によると、これらのイベントは、AWSの通知サービス「Amazon SNS」を起点として、チームごとのキュー(処理待ち行列)を管理する「Amazon SQS」へと流れる。その後、コンテナ(アプリとその実行に必要な環境をパッケージ化して動作させる技術)管理サービスである「Amazon EKS」上で動作するコンシューマーによってイベントが処理され、データベースサービスの「Amazon RDS」やインメモリキャッシュ(データをメモリ上に保存して高速に読み書きする仕組み)の「Amazon ElastiCache」、共有ファイルシステムの「Amazon EFS」、ストレージの「Amazon S3」などと連携しながら、エージェントの実行環境が動作する仕組みとなっている。

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