NVIDIA、AIエージェントの性能を高めるフレームワーク「NOOA」をオープンソース公開
要点
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NVIDIA Labsは、AIエージェントの動作制御を担うオープンソースの新フレームワーク「NOOA」を発表した。
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エージェントを1つのPythonクラスとして定義し、既存のツールを用いた開発やテストを容易にする。
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AIの動作形式として、型指定された入出力やPythonコードによるアクションなど6つの基本設計を採用。
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エージェント自身が情報を整理・蓄積するナレッジグラフ形式の長期メモリシステムを搭載する。
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複数の主要ベンチマークで、従来システムを上回る高い精度とトークンコストの削減を実証した。
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米NVIDIAの研究部門であるNVIDIA Labsは2026年7月27日、AIエージェントの性能を高めるオープンソースフレームワーク「NOOA(NVIDIA Labs Object-Oriented Agents)」の研究プレビューを公開した。AIエージェントの成果はモデル自体だけでなく、動作制御を担う周辺システム「ハーネス」の設計に左右される。ハーネスの設計次第で、同一モデルでもベンチマーク成績が数十パーセント変動し、計算費用のトークンコストにも大きな差が生じることが明らかになった。
エージェントを「1つのPythonクラス」として定義
従来のAIエージェント開発は、プロンプトのテンプレートやツールの仕様、実行フロー図など多くの要素を個別に調整する必要があった。これに対しNOOAは、「エージェントは1つのPythonクラス(プログラムの共通テンプレート)」というシンプルな設計を採る。
クラス内のメソッド(関数)が能力、フィールド(変数)が状態、説明文がプロンプトとなり、型アノテーションが実行時のルールとなる。省略記号「...」(エリプシス)のメソッドは実行時にLLM(大規模言語モデル)が自動補完し、通常のメソッドは決定論的(同じ入力に常に同じ結果を返す性質)なコードとして動く。これにより、コードの差分比較やテストといった従来のソフトウェア開発ツールがそのままエージェント開発に適用可能になる。
性能向上を支える6つの設計アイデア
NOOAでは、AIモデルの性能を最大化するため以下の6つの基本設計を採用している。
- 型指定された入出力: 指示や返答を、指定され検証された値で行う。
- 参照渡し: データ変換(シリアライズ)を経ずに、生のオブジェクトを直接操作する。
- アクションとしてのコード: AIがPythonコードを直接記述することで動作を実行する。
- プログラム可能なループ: 制御ループ自体が通常のPythonで書かれており、書き換え可能。
- 明示的なオブジェクト状態: 会話履歴に頼らず、オブジェクト自体に状態を永続保存する。
- モデル呼び出し可能なハーネスAPI: 文脈データ等をAPIとして公開し、AI自身が検査・管理できる。
自律的に整理を行う長期メモリシステム
NOOAは、エージェント自身が情報を整理・管理する長期メモリシステムを搭載する。自動の要約処理とは異なり、エージェントが専用ツールで記録、検索、修正を主体的に行う。
記憶は「支持する」「矛盾する」などの関係性で結ばれ、情報同士の繋がりを示す「ナレッジグラフ」として蓄積される。バックグラウンドのリフレクション(省察)処理が重複統合や不要情報の削除を自動で行う。メモリは、軽量なデータベース規格である「SQLite」形式の単一ファイルで保存され、人間による検証や複数エージェント間での共有も可能である。
ベンチマークで実証された高い性能と効率
NOOAは、「SWE-bench Verified(ソフトウェア開発の評価指標)」や「CyberGym L1(セキュリティの評価指標)」、「ARC-AGI-3(抽象的推論の評価指標)」などの主要ベンチマークで高い性能を実証した。従来システムと比較して、同一モデルで高い精度を達成しつつ、消費するトークンコストを大幅に削減できたという。特にARC-AGI-3の評価では、メモリシステムの活用によりエージェント効率を示す指標が11.8ポイント向上したと説明している。