NVIDIA、AIストレージアクセスを高速化する「cuObject」と「SCADA Server SDK」を発表—Google CloudやMicrosoft、IBMも参画
要点
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NVIDIAは、アクセラレータからCPUを介さずにオブジェクトストレージへ直接アクセスできるライブラリ群「NVIDIA cuObject」の一般提供を開始した。
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オープンな相互運用性を推進するコンソーシアム「xio-sig」にcuObjectが追加され、Google Cloudが参加を検討、Microsoftが理事会への参加を計画している。
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GPU主導のデータ要求を処理するサーバー構築用「SCADA Server SDK」が公開され、IBMが自社ストレージとの統合プロトタイプを実証した。
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40社以上が参加する「NVIDIA Storage-Next」イニシアチブのもと、GPU起因のきめ細かなI/Oアクセスに関するオープンな業界標準化が進められている。
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NVIDIAは2026年9月30日、AIワークロード向けのデータアクセスを高速化するライブラリ「NVIDIA cuObject」の一般提供(GA:製品版の一般公開)を開始したと発表した。同時に、GPUからのデータ要求に直接応答するストレージサーバーを開発するための「SCADA Server SDK」も新たに公開されている。
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あわせて、ストレージI/Oの相互運用性向上を目指す業界コンソーシアム「xio-sig」にcuObjectが統合され、Google CloudやMicrosoftが参画に向けた動きを進めているほか、40社以上のベンダーが連携する標準化イニシアチブ「NVIDIA Storage-Next」のソフトウェア基盤としても技術展開が行われる。
CPUを迂回して直接転送する「cuObject」の一般提供
生成AIの普及に伴い、モデルの学習やファインチューニング、推論時のコンテキスト処理、ツール呼び出し、検索、データベース照会といった多様なAIワークロードにおいて、ファイルやオブジェクトストレージへの高速なアクセス需要が高まっている。
従来、RDMA(Remote Direct Memory Access:ホストのCPUを介さずにネットワーク経由でメモリ間直接転送を行う技術)を用いたオブジェクトストレージへのアクセスには共通の通信仕様(ワイヤプロトコル)が存在せず、開発者はベンダー固有の実装に対応するか、旧来のアクセス方式を利用せざるを得ない状況にあった。
今回一般提供が始まったcuObjectは、標準化されたAPIとRDMAワイヤプロトコルを提供する。これにより、GPUやTPU、XPUといったアクセラレータは、サーバーのCPUが制御するメモリを経由することなく、NVIDIA ConnectX NIC(ネットワークカード)やNVIDIA BlueField DPU(データ処理専用プロセッサ)を通じてストレージと直接通信できるようになる。このゼロコピー転送により、データ転送時のスループット向上や低遅延化、CPU負荷の低減が可能になるという。なお、評価用の「cuObject Server 2.0.0」もダウンロード提供が開始されている。
xio-sigコンソーシアムの拡大と主要クラウドの連携
NVIDIAは、ファイルアクセス向け技術「cuFile」を取り扱ってきた業界コンソーシアム「xio-sig」の対象範囲を拡張し、新たにcuObjectを追加した。
この枠組みにおいて、Google Cloudが参加の評価を進めているほか、Microsoftが理事会(ボード)への参加を計画している。xio-sigを通じて共通のワイヤプロトコルに準拠した仕様策定が進むことで、cuObjectクライアントは特定の製品に縛られることなく、規格に適合した任意のサーバー実装と相互運用できるようになるとしている。
GPU主導のI/Oを処理する「SCADA Server SDK」とIBMの実証
新たに公開された「SCADA(Scaled Accelerated Data Access)Server SDK」は、ストレージプロバイダーがGPUクライアントからの要求に応答するサーバーを開発するためのソフトウェアキットである。
このSCADAの相互運用性に関して、IBM Storageが自社の「IBM Storage Scale」とSCADAを統合したプロトタイプを構築し、動作を実証したことが公表された。これにより、AI開発者やクラウド事業者は、共通化されたAPIとプロトコルを通じて高速ストレージ環境を構築・利用できるようになる。
40社超が参画する「NVIDIA Storage-Next」とオープン標準化
AIデータアクセスにおいては、アクセラレータが発行する小さくきめ細かなI/O(fine-grained I/O)要求が増加しており、これらは従来のストレージ媒体やプロトコルでは効率的に処理しにくいという課題がある。
この課題に対処するため、NVIDIAは「NVIDIA Storage-Next」イニシアチブを主導している。同取り組みには、NANDフラッシュベンダー、コントローラーベンダー、ストレージ事業者、ハイパースケーラー、アプリケーション開発者など40社以上のパートナー企業や顧客が参加している。GPU主導型ストレージの動作仕様を定義し、オープンな業界標準として確立することを目指しており、SCADAはその高スループットかつきめ細かなアクセスを支えるソフトウェアインフラとして位置づけられている。