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NVIDIA Technical Blog

NVIDIA、AIストレージ向け新型プロセッサ「Vera BlueField-4 STX」のベンチマーク公開 x86比で処理速度最大3.67倍を記録

要点

  • NVIDIAがAIネイティブなデータ処理に特化した「Vera BlueField-4 STX Storage Processor」のベンチマーク性能を公表した。

  • 独自開発のArmv9.2互換CPU「Olympus」を88コア搭載し、高い並行処理能力と広帯域メモリ技術を採用している。

  • ベンチマークテストにおいて、エラー検出で最大3.67倍、データ圧縮で最大3.29倍など、従来のx86 CPUを大幅に上回る性能を示した。

  • エージェント型AIワークロードによるデータ負荷を低減し、消費電力や冷却設備といったインフラ運用コストの削減に寄与する。

  • 米NVIDIAは2026年8月3日、AIネイティブデータプラットフォーム向けに設計された新型プロセッサ「NVIDIA Vera BlueField-4 STX Storage Processor」のベンチマーク結果を技術ブログで公開した。同製品に搭載された「Vera CPU」が、データの暗号化や圧縮、エラー修復といったストレージ関連の処理において、一般的なx86 CPUを大幅に凌駕するパフォーマンスを発揮することが実証されたという。

  • 近年普及が進む「エージェント型AI(自律的に情報を検索し判断して行動するAIシステム)」のワークフローにおいて、ストレージの重要性はこれまで以上に高まっている。AIエージェントが企業データを検索し、記憶(永続メモリ)へアクセスし、キー・バリュー(KV)キャッシュデータを再利用し、各種ツールを実行して結果を生成する一連のプロセスにおいて、ストレージシステムは絶えずデータを供給し保存し続けなければならないためである。

  • こうしたエージェントの思考ステップごとに複数のストレージ操作が発生する。さらに、同時接続する数千人規模のユーザーやエージェントが、膨大なテキストや画像などの文脈(コンテキストウィンドウ)を処理するようになると、ストレージの負荷は加速度的に増大する。

  • AIの推論処理自体はGPU(画像処理半導体)で高速に実行されるが、その前後に発生するデータの暗号化や復号、データ圧縮、整合性の検証、データの冗長化といったストレージ側の処理はCPUで実行される。

  • これらの処理はデータの安全性や信頼性を保つために不可欠だが、データが通過する経路(データパス)上に位置するため、どれか一つの処理が遅れるだけでシステム全体のボトルネックとなる。従来のx86 CPUでは、このストレージ処理の負荷に追いつかず、高速なSSDやネットワークの潜在能力を十分に引き出せない「プロセッシング・ギャップ」が生じていた。

  • この課題を解決するため、NVIDIAは「NVIDIA STX」プラットフォームの要となる「Vera BlueField-4 STX」を開発した。

  • 同製品に搭載されている「Vera CPU」は、次世代GPUである「NVIDIA Rubin GPU」に高速でデータを供給し続けるために設計されたものと同じアーキテクチャを採用している。Armv9.2命令セットと互換性のあるNVIDIA独自設計のCPUコア「Olympus」を88個備え、複数のスレッドを効率よく処理する「Spatial Multithreading」技術によって最大176スレッドの同時実行に対応する。

  • さらに、コア、共有キャッシュ、メモリコントローラ、I/O間をつなぐ「Scalable Coherency Fabric(SCF)」や、省電力で広帯域なメモリ規格である「SOCAMM2 LPDDR5X」を搭載した。SCFは最大毎秒3.4テラバイトの帯域幅と、164メガバイトの統一L3キャッシュを提供し、ストレージ処理に求められる高いシングルスレッド性能とデータ転送能力を両立している。

  • 公開されたベンチマーク結果では、x86 CPUと比較した際に、あらゆる主要ストレージ処理でVera CPUの圧倒的な優位性が示された。

  • 具体的なスループット(単位時間あたりのデータ処理量)の向上率は以下の通りである。

  • データの誤り検出アルゴリズム「CRC32C」による整合性チェック:最大3.67倍

  • データの圧縮処理:最大3.29倍

  • データの消失や破損を修復する「Reed-Solomon(リード・ソロモン)コード」の回復処理:最大3.26倍

  • 複数の処理を連続して行う「マルチステージ・パイプライン」処理:最大3.21倍

  • データの解凍処理:最大1.72倍

  • データの暗号化処理:最大1.43倍

  • データの復号処理:最大1.29倍

  • この結果から、データのセキュリティ確保やバックアップ、完全性の検証といった不可欠なサービスを適用しても、データ転送を遅延させることなく処理を完結できることが実証された。

  • NVIDIAは、このVera CPUアーキテクチャの導入により、AIインフラの運用効率が大きく改善されると説明している。ストレージ処理にかかるCPUコアの負荷を減らすことで、システム全体の消費電力や冷却コストといった設備面での負担を軽減できるという。結果として、より高いサービス密度を実現し、先進的なエージェント型AIワークロードが求める大量の並行データフローを効率的に支えることが可能になるとしている。

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