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NVIDIA Technical Blog

NVIDIA、タンパク質設計AI「RFD4-Proteina」を発表 配列と全原子構造の同時生成と推論時探索で高速化

要点

  • 米NVIDIAとワシントン大学が、タンパク質の配列と全原子構造を同時に設計できるAIモデル「RFD4-Proteina」を発表した。

  • 従来の逆フォールディング工程を統合し、サンプリングステップ数を約400から60へと大幅に削減した。

  • 従来モデル「RFD3」と比較して、生成速度が3.8倍に向上し、ピークメモリ使用量を84%削減した。

  • CUDA対応の評価ツールと報酬誘導型の推論時探索を組み合わせ、有望な候補に計算資源を集中させる。

  • GitHub上のオープンモデルと、API連携が容易なNIMマイクロサービスの2形態で提供される。

  • 米NVIDIAは2026年10月21日、タンパク質のアミノ酸配列と全原子立体構造を同時に設計できるAIモデル「RFD4-Proteina」を発表した。ワシントン大学医学部のタンパク質設計研究所(IPD)と共同開発したもので、同社が展開する創薬支援プラットフォーム「BioNeMo」のオープンモデルに位置づけられる。膨大な組み合わせが存在するタンパク質設計において、有望な候補へ計算資源を集中させる推論時探索技術を導入していることが特徴だ。

配列と全原子構造を同時生成、別モデルへの受け渡しを排除

タンパク質の設計は、天文学的な組み合わせの中から目的の分子を特定する探索課題として知られている。わずか100残基(タンパク質を構成するアミノ酸の単位)の配列であっても、その組み合わせは観測可能な宇宙の原子数を超えるほど膨大だ。

従来の設計手法では、まず骨格構造を設計した上で、「ProteinMPNN」のような逆フォールディング(立体構造からアミノ酸配列を逆算する技術)モデルを用いて配列を決定するという、分断された2段階の処理が必要だった。これに対しRFD4-Proteinaは、先行技術「Proteina-Complexa」の手法を発展させ、明示的な主鎖座標と潜在表現、学習された配列および原子変数を組み合わせる方式を採用した。オートエンコーダーのデコーダーが配列と全原子構造を一体として直接生成するため、外部モデルへ処理を引き渡す工程が不要になったという。

サンプリング短縮によりRFD3比で速度3.8倍、メモリ84%減を達成

アーキテクチャの刷新に伴い、生成時の計算効率も大幅に改善された。残基レベルでの潜在表現と最適化された拡散プロセスを導入したことで、生成に必要なサンプリングステップ数は従来の約400ステップから60ステップへと大幅に圧縮されている。

この効率化により、200残基のタンパク質を生成するベンチマークにおいて、従来モデル「RFD3」と比較して生成速度が3.8倍に向上した。さらに、実行時のピークメモリ使用量も84%削減されている。これにより、大規模な分子設計キャンペーンを実行する際にも、計算インフラへの負荷を大幅に抑えられるようになったと説明している。

CUDA高速化ツールと推論時探索で有望候補を精密に絞り込む

RFD4-Proteinaのもう一つの大きな特徴が、報酬誘導型の推論時探索(Inference-Time Search)だ。これは、推論を実行しながら評価スコアに基づいて有望な候補へと計算資源を重点的に配分する仕組みである。

探索ループには、「OpenFold3」や「TMol」といったNVIDIAの並列コンピューティング技術「CUDA」で高速化された評価ツール(オラクル)が組み込まれている。これらが生成途中の分子の幾何学的形状や相互作用、信頼度スコアをリアルタイムで測定・評価し、より精度の高い設計へと誘導する。さらに「rfd4-proteina-campaign」などの連携スキルを利用することで、候補の生成から探索、評価、結果の保存に至る一連の反復サイクルを自動管理できるという。

がん標的PD-L1の設計に対応、研究用とサービス用の2形態で提供

同モデルは注釈付きCIFファイルや条件指定の入力を受け付け、がん免疫療法の重要標的である「PD-L1」に対する結合分子(バインダー)の設計といった具体的なタスクに対応する。特定の結合部位(ホットスポット)の制約を課した分子設計も可能とされている。

提供形態としては、利用者の用途に合わせて2つのアプローチが用意されている。1つはGitHub上で配布されるオープンモデルで、Python 3.12および対応するLinux GPU環境で動作し、サンプリングコードの直接制御や手法開発に適している。もう1つはコンテナ形式の「NIMマイクロサービス」で、自社環境でのセルフホストに対応するほか、Webサイト「build.nvidia.com」を通じたHTTP API経由での迅速な推論実行を可能にしている。

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