NVIDIA、言語モデル「Nemotron 3」の追加学習で情報五輪・数学五輪ともに金メダル水準を達成
要点
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NVIDIAは、言語モデルファミリー「Nemotron 3」をファインチューニングした特化システムが、IOI 2026(国際情報オリンピック)とIMO 2026(国際数学オリンピック)の双方で金メダル水準の成績を達成したと発表した。
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IOI 2026では「Nemotron-3-Ultra-CC」が535.4点(600点満点)を獲得し、金メダル基準値の361.12点や人間の最高得点(498.27点)を上回った。
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IMO 2026では推論・検証システムを備えたモデルが30点(42点満点)を記録し、公式採点者の採点を経て金メダル基準値(29点)を突破した。
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課題ごとに専用モデルを開発せず、共通の事後学習と推論ループによって基盤モデルを特化させる再利用可能な手法を実証したとしている。
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米NVIDIAの研究チームは2026年10月7日、言語モデルファミリー「Nemotron 3」をベースにした特化システムが、国際情報オリンピック(IOI 2026)および国際数学オリンピック(IMO 2026)で金メダル相当の成績を記録したとHugging Face Blogで発表した。プログラミングと数学という性質の異なる2つの難関競技において、同一のモデル基盤から最高水準の成果を導き出した形だ。同社は、標準的な事後学習と推論時の工夫を組み合わせることで、単一の基盤モデルを専門領域へ適応させる手法を提示している。
性質の異なる2つの難関大会で基準スコアを突破
国際情報オリンピック(IOI:中高生を対象にアルゴリズム構築力を競う国際大会)と国際数学オリンピック(IMO:高校生以下を対象とした最高峰の数学コンテスト)は、要求される能力が大きく異なる。IOIでは厳格な時間・提出制限下で隠されたテストケースを通過するコード実装が求められ、IMOでは自然言語による厳密な証明構築が求められる。
発表によると、IOI 2026向けの特化モデル「Nemotron-3-Ultra-CC」は600点満点中535.4点を記録した。これは金メダル基準値である361.12点や、人間の最高得点である498.27点を上回るスコアとなった。競技は人間の選手と同じ制限時間や提出回数の制約下でリアルタイムに実行されたが、公式順位表には含まれない非公式ベンチマークだと説明されている。
一方のIMO 2026では、モデルチェックポイントを組み合わせて回答の生成・検証・洗練を行うシステムが42点満点中30点を獲得し、公式の金メダル基準値(29点)を突破した。提出された証明は、公式のIMO採点者によって採点が行われたとしている。
ゼロから作らない「再利用可能な特化手法」
NVIDIAは、課題ごとにゼロから新しい基盤モデルを構築するのではなく、既存モデルを体系的な手順で適応させることが重要だと指摘する。今回用いられた特化の工程は、以下の4つのステップで構成されている。
- 強力なNemotronベースモデルから開始する。
- 対象領域に特化した問題群と高品質な推論プロセス(思考トレース)を整備する。
- 教師ありファインチューニング(SFT:正解例を用いた追加学習)や強化学習(RL)などの標準的な事後学習を施す。
- 特化モデルに、回答候補を生成・評価・改善する推論ループを組み合わせる。
大規模な計算を伴うものの、手法自体は再現性のある標準的なアプローチであり、単一のモデル基盤を目的に応じて特化させることができたと説明している。
競技プログラミングでの検証とモデル規模による適応の違い
競技プログラミングへの特化では、2万2000件の問題を収集して2つのモデルが学習された。総パラメータ数300億・推論時のアクティブパラメータ(実際に計算に使われるパラメータ)数30億の「Nemotron-3-Nano-CC」にはSFTとRLが適用された。一方、総パラメータ数5500億・アクティブパラメータ数550億の「Nemotron-3-Ultra-CC」にはSFTが適用された。
IOI 2025の過去問題による検証では、Nanoモデルが事後学習前の130点からSFT後に280点、RL後に291点へと向上した。さらに、解の生成・評価・修正を反復する推論戦略「GenCorrect」により468点に達し、当時の金メダル基準値(438.3点)を上回った。Ultra-CCモデルも同様の推論戦略により502点を記録している。
また、モデル規模によって適応の傾向が異なることも確認された。小型のNanoモデルではSFTが向上の大半を占め、RLが着実な改善を上乗せした。一方、大規模なUltraモデルでは、わずか1エポック(全学習データを1巡学習すること)のSFTを行うだけで、SFTとRLを完全に施したNanoモデルの性能をIOIやICPC(国際大学対抗プログラミングコンテスト)、LiveCodeBench Proなどの主要ベンチマーク全域で上回ったという。この知見が、IOI 2026向けのシステム設計の指針になったとしている。