NVIDIAが「DLSS 5」を発表、3Dデータを活用したニューラルレンダリングを導入──ACEや開発キットの機能強化も
要点
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NVIDIAが最新の画像処理技術「DLSS 5」を発表し、ゲームエンジンの描画データを土台に光や質感を高める「3D誘導型ニューラルレンダリング」を導入した。
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DLSS 5は1フレームずつの入出力とモーションベクトルにより高い時間的安定性を実現し、単一のGeForce RTX 50シリーズGPUで最大4K解像度のローカル動作に対応する。
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開発者向けにモデル選択や強度調整、AIマスキングなどの詳細な制御機能が提供され、『NBA 2K27』における活用事例も公開された。
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音声AIフレームワーク「NVIDIA ACE」に低遅延な音声認識と高品質な音声合成が追加されたほか、ローカル推論SDKや高密度ジオメトリ描画技術も更新された。
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米NVIDIAは2026年9月22日、同社の開発者向け公式ブログにおいて、ゲーム開発者向けの最新技術アップデートを公開した。目玉となるのは、リアルタイムレンダリングにAIを活用する新技術「DLSS 5」の発表である。あわせて、ゲーム内キャラクター向けAI「NVIDIA ACE」の機能拡張や、高密度メッシュの描画を支援する「RTX Mega Geometry 2.0」など、複数の開発者向けツールの更新内容が明らかになった。
エンジンの描画情報を活かす「3D誘導型ニューラルレンダリング」
発表された「DLSS 5」には、新たに「3D-Guided Neural Rendering(3D誘導型ニューラルレンダリング)」と呼ばれる仕組みが導入された。これはグラフィックス描画パイプラインの最終段階に組み込まれるニューラルレンダリングステージとして機能する。
この技術では、ゲームエンジンが生成した形状データ(ジオメトリ)やテクスチャ、光の計算情報(ライティングバッファ)といったフレーム描画データを強固な土台として利用する。エンジンが出力したフレームデータが「維持すべき要素」を決定し、開発者が「変更可能な要素」を指定する設計となっており、キャラクターの同一性やシーンの構成、制作者が意図した構図やライティングを崩すことなく、リアルな質感や光の表現を追加できるという。
RTX 50シリーズでの4Kローカル動作とリアルタイム性
DLSS 5は、リアルタイムの3Dレンダリングに特化して構築されている。従来の複数フレームを一括処理するオフライン向け生成AIモデルとは異なり、1フレームを入力して1フレームを出力する「1フレーム入出力モデル」を厳格に採用しているのが特徴だ。
フレームの色情報に加えて、画面内の物体の移動方向を示すゲームエンジンのモーションベクトルを活用することで、プレイヤーが視点を動かしても画面が乱れない、時間的に安定した決定論的な出力を得られるとしている。このモデルは軽量かつ特化型として設計されており、単一のGeForce RTX 50シリーズGPU上で、最大4K解像度までのリアルタイム処理をローカル環境で実行できる。
開発者向けの詳細な制御機能と『NBA 2K27』での実例
開発者がシーンに応じて効果を細かく調整できるよう、DLSS 5には多彩な制御機能が用意されている。利用するモデルの選択をはじめ、構造の反映度合いを調整する「Structure Intensity」や色調の反映度合いを変える「Tone Intensity」といったパラメータ設定が可能だ。さらに、AIが領域の意味を判別して適用範囲を分けるセマンティックAIマスキングや、ゲームエンジン側からのマスキング制御にも対応している。
NVIDIAの応用ディープラーニング研究ディレクターであるEdward Liu氏やコンテンツ技術ディレクターのGabriele Leone氏によると、これらの制御機能により意図通りの出力を保ちやすい環境が整えられているという。実際の採用例として、Visual Conceptsが開発を手がけるバスケットボールゲーム『NBA 2K27』では、3Dスキャンされた選手の顔の形状を崩すことなく、肌やマテリアルの質感、ライティングを向上させるためにDLSS 5が活用されていることが紹介された。
NVIDIA ACEとローカルAI推論SDKの拡張
キャラクターAIを構築するための開発プラットフォーム「NVIDIA ACE」においても、音声関連の機能が拡充された。ストリーミング処理による低遅延な音声認識を実現する「Nemotron Speech 3.5 Streaming」や、高品質な音声合成に対応しカスタムのファインチューニング(微調整)が可能な「Qwen3 TTS」が追加されている。
また、グラフィックス処理と並行してゲーム内でローカルAIモデルを動作させる「NVIDIA In-Game Inferencing SDK」もアップデートされた。「RTX Spark」のサポートや軽量言語モデル「Gemma4」の統合が行われたほか、画像生成AIである「Stable Diffusion」用プラグインの追加や、LLM実行環境「llama.cpp」の性能向上が図られている。
高密度メッシュを描画する「RTX Mega Geometry 2.0」
開発キット群「RTX Kit」のアップデートとして、「RTX Mega Geometry 2.0」の機能強化も発表された。カメラとの距離に応じて描画の細かさを切り替えるLOD(Level of Detail)において、高密度メッシュ向けに連続的な詳細度クラスターをストリーミング配信する機能が追加された。
ブログ内ではテクスチャ付きglTFデータ「Zorah」を用いた技術デモが紹介されたほか、今後リリースが予定されているアクションゲーム『Gears of War: E-Day』への導入が予定されていることも明かされている。