NVIDIAとCrowdStrike、オープンAIモデルを活用した自律型サイバーセキュリティ攻防システムの実証結果を発表
要点
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NVIDIAとCrowdStrikeが、攻撃と防御を機械の処理速度で自律的に循環させるセキュリティシステムの検証結果を発表した。
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防御の統括に「Nemotron 3 Ultra」、検知ルールの生成・修正に「Nemotron 3 Super」を割り当てるモデル構成を採用している。
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過去データを用いたバックテストでは、最適化されたオープンモデル構成が41.9%の平均検知率を記録し、単一モデル比で2.5倍の改善を示した。
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未知の攻撃8件に対する実戦テストにおいて、オープンモデル構成は45%の汎化率を達成し、商用フロンティアモデルの29%を上回った。
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オープンモデル側が全8件の攻撃をカバーする最高評価(ゴールド)の検知ルールを3件生成した一方、商用フロンティアモデル側はゼロ件にとどまった。
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NVIDIAは2026年9月1日、サイバーセキュリティ大手のCrowdStrikeと共同で、オープンモデル「Nemotron」シリーズを活用した自律型(エージェント型)サイバーセキュリティ攻防システムの評価結果を公式技術ブログで公表した。
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両社はNVIDIAのアクセラレーテッド・コンピューティング基盤を模した隔離環境を構築し、攻撃側と防御側のAIエージェント(自律的に目標を追求してタスクを実行するシステム)が対峙するクローズドループを稼働させた。検証の結果、特化型のオープンモデルを組み合わせたパイプラインが、単一モデル構成や商用の最先端フロンティアモデルを上回る検知率および汎化性能を記録したことが明らかになった。
人手を介さず機械速度で回す「攻防の自動ループ」
従来のセキュリティ演習では、攻撃側を担うレッドチームと防御側を担うブルーチームの間で手動の引き継ぎが発生していた。攻撃の実行、ログの確認、検知エンジニアによる検知ルールの開発や更新、そして再テストという一連の工程に時間を要するため、試行できる攻撃パターンや検証回数には物理的な限界が存在していたという。
今回検証された自律型システムでは、これらの工程を隔離された代表環境内で自動的に連携させている。攻撃エージェントが実行した痕跡やセンサーのテレメトリ(システムの動作ログや計測データ)をもとに、防御エージェントが検知ルールを作成・修正する。その結果が攻撃エージェントへフィードバックされ、攻撃側は実行可能な侵入経路や回避ルートがなくなるまで新たな攻撃手法を適応させながら試行を繰り返す仕組みとなっている。
役割分担されたモデル群と6つの防御メカニズム
防御側のシステムには、CrowdStrikeのサイバーセキュリティプラットフォーム「CrowdStrike SafeMind」が用いられ、NVIDIAのオープンモデルが役割ごとに組み合わされた。
全体の指揮・オーケストレーションには「Nemotron 3 Ultra」が割り当てられ、検知ルールの生成および修正を行う専門エキスパートとしては、事後学習(ファインチューニング)を施した「Nemotron 3 Super」が配置された。モデルの強化学習には「NVIDIA NeMo Gym」および「NVIDIA NeMo RL」が使用され、検証可能な結果に基づく報酬(verifiable rewards)を用いた最適化が行われている。なお、CrowdStrikeの社内評価によれば、同社の防御モデル「Blue Solano」は、比較対象となった商用フロンティアモデルよりも高精度であり、運用コストを99%削減できたと報告されている。
また、信頼性の高い検知ルールを出力するため、防御側の実行基盤(ハーネス)には以下の6つのメカニズムが統合された。
- スキーマナレッジベース: データ構造や定義の参照枠組みを提供する。
- テレメトリグラウンディング: 実際のログやセンサーデータに基づいて根拠づけを行う。
- 特化型検知ルール作成: カスタマイズされたNemotron 3 Superがルールを記述する。
- アーティファクトリント: 生成されたルールの構文や整合性を自動検査(リント)する。
- 検知リプレイ: 過去のデータに対してルールを再実行し動作を確認する。
- 独立レビュー: 生成された検知内容を独立したプロセスで審査する。
バックテストおよび未知の攻撃に対する検証結果
システムの性能評価は、過去データを用いたバックテストと、事前に学習させていない未知の攻撃シナリオを用いた実戦環境テスト(Live-fire testing)の2通りで実施された。
6回のセッションにわたるバックテストでは、最適化されたオープンモデルのパイプラインが平均41.9%の検知率を記録した。これは、Nemotron 3 Ultra単体で動作させた初期状態のハーネスと比較して2.5倍の改善に相当する。
さらに、モデルが過去に遭遇していない8つの未知の攻撃パターンを投入した実戦テストでは、オープンモデル構成で生成された検知ルールの汎化率(未知の脅威に対しても有効に機能する割合)が45%に達した。これに対し、比較対象となった商用フロンティアモデルシステムの汎化率は29%にとどまった。加えて、オープンモデル側は8つすべての攻撃を網羅して最高精度の評価基準を満たす「ゴールド」ステータスの検知ルールを3件生成したのに対し、商用フロンティアモデル側でゴールドステータスに達した検知ルールはゼロ件であったと報告されている。