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The Hacker News

オープンソースを狙う大規模サプライチェーン攻撃「TeamPCP」の主犯格か、豪警察が男2人を起訴

要点

  • オーストラリア連邦警察は、セキュリティツールやAI基盤を狙ったサプライチェーン攻撃グループ「TeamPCP」に関与した疑いで男2人を起訴した。

  • 容疑者らは信頼されたオープンソースプロジェクトから認証情報を盗み、正規ルートを通じてバックドア入りコードを配信したとされる。

  • 1つの侵害で得た認証情報を別の標的へ再利用する手口により、GitHub ActionsやPyPIなど5つのエコシステムへ影響が拡大した。

  • 被害は世界1,000以上の組織に及ぶ可能性があり、米連邦捜査局(FBI)は流出した認証情報の長期的な悪用リスクに警戒を呼びかけている。

  • オーストラリア連邦警察(AFP)と西オーストラリア州警察は2026年8月27日、著名なオープンソースソフトウェアを標的としたサプライチェーン攻撃に関与した疑いで、同州在住の男2人を起訴したと発表した。2人はサイバー犯罪グループ「TeamPCP」の主要メンバーとみられ、暗号資産で報酬を得ていたとされる。米連邦捜査局(FBI)との共同捜査により摘発に至った。

複数拠点の捜索と14件に上る起訴内容

発表によると、起訴されたのは西オーストラリア州在住のルイ・マイケル・ゲーブラー(23歳)とルーベン・イアン・トムソン(21歳)の2名である。両警察は8月26日にコテスロー、ハミルトン・ヒル、マンジュラの3拠点で捜索令状を執行して電子機器を押収し、翌27日に2人はパース治安判事裁判所に出廷した。

2人に適用された罪状は計14件に上る。21歳の男はコンピュータ犯罪目的のデータ所持や重大犯罪目的の不正データ変更、データ提供の罪のほか、1914年連邦犯罪法3LA条命令への違反(最高刑懲役10年)や10万豪ドル以上の犯罪収益取引罪(最高刑懲役20年)などで起訴された。23歳の男もデータ所持や不正データ変更、データ提供の罪に問われている。なお、起訴状に個別の侵害プロジェクト名は明記されていない。

認証情報の盗用と連鎖的な侵害手口

TeamPCPは、ソフトウェアの開発や配布経路に不正コードを混入させるサプライチェーン攻撃を展開していた。信頼されたオープンソースプロジェクトから公開用認証情報を盗み出し、プロジェクト正規のリリースチャネルを通じて改ざん版を配信する手口をとっていたという。影響はGitHub Actions、Docker Hub、npm、PyPI、OpenVSXの5つの主要配布基盤に及んだ。

犯行の特徴は、侵害したツールから得た認証情報を次の攻撃に再利用する連鎖的な手口にある。2026年3月に発生したセキュリティスキャナー「Trivy」の侵害で奪われた認証情報は、数日後の「Checkmarx KICS」のアクション侵害に悪用された。

さらに、複数の大規模言語モデル(LLM)への通信を中継・統合するAIゲートウェイ「LiteLLM」のビルド環境が、バージョンを固定(ピン留め)せずにTrivyを導入していたため、改ざんされたスキャナー経由でLiteLLMの公開トークンが奪われた。これにより、各社のAPIキーが集約されるLiteLLMのバックドア入りバージョンが3月下旬にPyPI上で公開される事態となった。

被害規模と各セキュリティ機関による分析

AFPによると、この悪意あるコードにより世界で1,000以上の組織が侵害を受け、50万件以上の認証情報が窃取され、少なくとも300ギガバイトのデータが外部へ持ち出された可能性があるという。米パロアルトネットワークスの脅威インテリジェンスチーム「Unit 42」も3月時点で同様の推定値を報告していた。

民間調査機関の分析でも広範な影響が示されている。CloudSEKの再構築データでは影響を受けた組織は2,500以上、CI/CDパイプライン(ビルドやテストを自動化する仕組み)は約43万4,000件に達するとされる。ただし同社は、認証情報の流出自体が直ちに侵入成功を意味するわけではなく、確認された被害組織は3月下旬にリークサイトへ掲載された16組織であるとしている。またHudson Rockは、攻撃者の流出データ(153ギガバイト)から2,488の企業ドメインに属する11万8,829件のCIランナーダンプを特定した。

StepSecurityの分析によれば、影響を受けたCI/CD環境の内訳はGitLab(1,064組織)が最も多く、GitHub Actions(618組織)、Azure DevOps(233組織)、Jenkins(105組織)、Bitbucket Pipelines(94組織)、CircleCI(15組織)が続いた。

残る悪用リスクと配信プラットフォームの現状

FBIは7月2日の勧告で、流出したデータや認証情報は長期間にわたり悪用される持続的リスクがあるとし、CI/CDのシークレット情報や公開トークン、クラウド認証情報の速やかな更新(ローテーション)を強く求めた。

一方、配信基盤側の課題も浮き彫りになっている。The Hacker Newsが8月27日に確認したところ、改ざんされたLiteLLMの2つのビルドはPyPIの公式リリース履歴からは除外されているものの、インデックス削除から5カ月経過後もPyPIのコンテンツ配信ネットワーク(CDN)上の直接URLからはHTTP 200応答が返り、ファイルが取得可能な状態のままであったという。なお、セキュリティ企業Oligo Securityによると、TeamPCPに関連するインフラは2020年まで遡ることが判明している。

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