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OpenAI Blog

OpenAI、AIを活用した財務組織の構築プロセスと知見を公開 「ゼロデイ決算」と継続的予測の実現へ

要点

  • 米OpenAIは、自社の財務部門においてAIを中心とした業務体制を構築したプロセスと、そこから得られた実践的な教訓を公式ブログで公開した。

  • 同社財務チームは、リアルタイムで財務状況を照合・把握する「ゼロデイ決算」と「自動化された継続的予測」の2つを主要目標に掲げている。

  • 社内ハッカソンを契機に、投資家対応向けカスタムGPT「IR-GPT」や調達・税務向けツールの現場主導での開発が進んだ。

  • 意思決定に必要なインプットの組み立て作業から脱却し、最終的な判断から逆算してデータ連携とAI活用を一体化させる業務再設計の重要性を提唱している。

  • 米OpenAIは現地時間2026年8月10日、自社の急成長を支える財務組織においてAIを中核に据えた業務体制をゼロから構築した経験と、CFO(最高財務責任者)に向けた実践的な知見を公式ブログで公表した。

  • 執筆者である同社財務リーダーは、2年前に同社へ参画した当時の状況を振り返り、世界最先端のAIツールを利用できる環境にありながらも、決算作業や財務予測の更新においては情報の検索や差異の説明、資料作成といった手作業の繰り返しに追われていた実態があったと明かしている。

掲げられた2つの野心的な目標:「ゼロデイ決算」と「継続的予測」

同社は財務業務をリアルタイムな機能へと進化させるため、「ゼロデイ決算(zero-day close)」と「自動化された継続的予測(continuous forecasting)」という2つの目標を設定した。

ゼロデイ決算とは、期間終了後に時間をかけて帳簿を締めるのではなく、承認済みの支出計画、総勘定元帳の実績データ、発注書、見越額、取引詳細などを常に接続・照合し、会社の財務状況をリアルタイムかつ追跡可能な状態で把握できるようにする構想である。

一方の継続的予測は、このリアルタイムに照合された基盤の上に構築される。統計モデル、営業担当者との商談内容、顧客アカウント単位のエビデンス、日々の運用データ、そして財務担当者の判断を統合し、事業の状況変化や将来起こり得るシナリオを継続的に可視化する仕組みを目指している。

静的なスプレッドシート(表計算ソフト)や資料の検索、スライド作成といった従来の作業から脱却し、事業の全データと文脈を反映したライブツールへの移行を進めているという。

全員へのアクセス付与と「IR-GPT」などの現場主導開発

OpenAIが挙げた1つ目の教訓は、「全員にAIへのアクセス権を与え、その上で利用する具体的な動機を作ること」である。AIの価値は、実際の業務課題と結びついた構造化された実験によって最大化されると説明している。

同社では、財務チームとセールスエンジニアが協力する財務ハッカソンを開催し、各自が変革したい実務を持ち寄ってツールの開発を行った。この取り組みから、投資家向け広報(IR)チームがデューデリジェンス(投資前の詳細調査)の質問に回答するための承認済み資料を学習させたカスタムGPT「IR-GPT」が誕生した。さらに、調達や税務といった専門領域でも同様のカスタムGPTの構築が進められている。

わずか1日のハッカソンを通じて、現場の担当者が反復作業を特定し、解決策を構築して同僚とテストを行うサイクルが定着したという。同社は、現場によるボトムアップの実験と、経営陣によるトップダウンの戦略的資源配分が結びつくことが不可欠であると強調している。

意思決定から逆算するワークフローの全面的な再設計

2つ目の教訓として挙げられているのが、「意思決定を中心にワークフロー全体を再構築すること」である。

従来の財務業務では、最新データの収集、シートの突き合わせ、差異の理由確認、グラフ化、スライド資料への変換といった「意思決定のためのインプットの組み立て」に大半の時間が消費されていた。これに対し、AIを活用することでデータソースから意思決定までの経路全体を再設計できると説明している。

新たな運用モデルでは、システム間の数値の差異が生じた場合、AIが初期の要因分析を作成し、人間の注意が必要な例外事項にフラグを立てる。財務担当者は生成された数字を検証し、専門的な判断を下した上で最終承認を行う役割を担う。これにより、期間終了後に慌てて事業状況を再構築するような作業が解消されつつあるという。

また、Codexなどを活用したダッシュボードにより、新たな顧客契約の発生が四半期や通期の業績に与える影響を即座にシミュレーションしたり、マーケティング支出の収穫逓減曲線を可視化して最適な資本再配分を検討したりすることが可能になっている。

同社は、影響力の大きい重要な意思決定を起点に据え、そこから逆算して必要なデータや承認フローを洗い出し、AIが分析・調整・実行を担える領域を特定していくアプローチが、意思決定の速度と質の双方を向上させると結論づけている。

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