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OpenAI Blog

OpenAI、COBOLやFortranなど「低リソース言語」の処理性能を大幅強化 新世代モデルで高精度と低コスト両立

要点

  • 米OpenAIは、COBOLやFortranなど学習データが少ない「低リソース言語」における最新AIモデルのコード生成・移行性能を発表した。

  • 20言語でゼロからDBを構築する新評価で、最上位「GPT-6 Astra」が平均87.4%の合格率を達成し、前世代(26.8%)から大幅に向上した。

  • 低コスト版「GPT-6 Luna」は、API費用を約78%削減しつつ全言語で前世代モデルの合格率を上回った。

  • COBOLの他言語移行評価では、「GPT-6.1 Sol」が高推論設定で97.9%の正解率を記録した。

  • 米OpenAIは2026年10月19日(現地時間)、COBOLやFortran、Visual Basicなど学習データが少ない「低リソース言語」において、最新AIモデルのコード生成・移行能力が大幅に向上したと発表した。

  • これらの言語は金融や気象予測などの重要インフラを支えているが、データ不足からAIの支援が困難とされてきた。

  • 同社は新規構築とコード移行を検証する2つの新ベンチマークを公開し、新世代モデル群が高い処理精度と低コストを両立したと報告している。

重要インフラを支える旧世代言語と保守の壁

PythonやJavaScriptに比べ、COBOLやFortran、Visual Basicなどはモデルが学習できる公開データが少ない「低リソース言語」とされる。しかし、その社会的影響は極めて大きい。OpenAIによると、COBOLはオンラインバンキングの40%超、対面クレジットカード取引の80%、ATM取引の95%を支え、Fortranも気象予測や原子炉の安全性解析で稼働している。
一方、現場では仕様書の不備や開発者の退職により、業務ルールがコードにしか残っていないケースが多く、システムの挙動を完全に維持した形での保守や移行が強く求められていた。

20言語でゼロからDBを構築する「MultiLangBench」

課題検証のため、OpenAIは2つの評価手法を開発した。1つ目の「MultiLangBench」は、指定言語でゼロからSQLite互換データベースエンジンを構築できるかを測るベンチマークだ。設計やエラー処理を測るため、データベースファイルを共通インターフェースとして公式SQLiteリファレンス実装と出力を突き合わせる。
この評価で最上位モデル「GPT-6 Astra」は、最大推論設定時に20言語平均で87.4%の合格率を記録した。前世代「GPT-5.6 Sol」(26.8%)から大幅に向上し、COBOL(10.9%→72.1%)、OCaml(25.6%→85.8%)、Fortran(21.4%→83.5%)、Visual Basic(27.5%→89.4%)と全言語で改善した。19言語で83%以上を達成し、COBOLが最難関の72%だった。
低コストモデル「GPT-6 Luna」も平均40.3%で前世代を上回り、推定APIコストは約0.77ドルとGPT-5.6 Sol(3.48ドル)から約78%削減された。評価環境はGitHubで公開されている。

バイト単位の一致を検証するCOBOL移行評価

2つ目は、COBOLコードをC++、Java、Kotlin、Python、Rustへと挙動を維持して書き換える移行評価だ。
COBOLの移行では特有の仕様理解が欠かせない。例えばCOBOLの固定小数点演算は、明示しない限り余剰桁を切り捨てるため、移行先で一般的な四捨五入を行うと計算結果が狂ってしまう。そのため評価では、観測可能な出力が「バイト単位で完全一致(byte-for-byte parity)」することを求める非公開テストを実施し、全問正解のみを合格とした。
この評価で「GPT-6.1 Sol」は、低推論設定でも86.6%の正解率を達成し、同設定で5.4%だったGPT-5.6 Solを圧倒、APIコストも39%削減した。高推論設定では正解率97.9%に達し、ほぼ上限に迫った。ただしOpenAIは、本番導入には専門家によるレビューや業務ルールの検証が不可欠であると付言している。

API経由での提供と今後の展望

OpenAIは、構造把握から計画立案、ツールの利用、テストやデバッグに至る技能を、さらに多様な言語へ広げていく方針だ。最新モデル群はすでにAPI経由で利用可能となっており、同社は開発現場からのフィードバックを求めている。

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