OWN NEWS GATHER
← 戻る
OpenAI Blog

OpenAI、契約管理のIroncladと共同研究 「GPT-6 Astra」で業務AIエージェントの検証結果を発表

要点

  • 米OpenAIは2026年10月6日、契約管理プラットフォーム大手の米Ironcladと提携し、専門ソフトウェアを操作するAIエージェントの研究成果を公表した。

  • 最新フロンティアモデル「GPT-6 Astra」は、法務や調達の実務11タスクにおいて「GPT-5.6 Sol」比で評価スコアが32%向上し、推定所要時間を48%短縮した。

  • 熟練者が30〜40分を要する承認フロー構築などの実務を再現し、ホスト環境上での強化学習によってモデルの精度を高めた。

  • 業務規則の遵守や例外処理といった課題に対応するため、OpenAIは外部ソフトウェア企業との新たな共同研究パートナーの募集を開始した。

  • 米OpenAIは現地時間2026年10月6日、AI契約管理を手がける米Ironclad(アイアンクラッド)との共同研究成果を発表した。専門ソフトウェアを自律的に操作し、複雑なビジネス課題を解決するAIエージェントの能力向上を目指す取り組みだという。最新モデル「GPT-6 Astra」を用いた検証では、法務や調達の実務タスクにおいて前世代モデルを大きく上回る精度と処理速度が確認されたとしている。

専門業務へのAIエージェント適用と提携の狙い

OpenAIは先に発表した「GPT-6 Astra」において、文書作成やWebサイト検証など、PC上で業務を遂行する「Computer Use」機能の進展を示していた。今回の研究はその発展形として、企業独自の業務規則を理解し、複数段階のワークフローを自律実行・検証できるエージェントの育成を目指すものだという。

企業の専門業務では、単一の操作をこなすだけでなく、例外処理や社内統制を保ちながらプロセス全体を一貫して完遂する必要がある。OpenAIは現場の要件を基盤モデルの開発に直接取り込むため、契約ライフサイクル管理(契約書の作成・承認・管理を一元化するシステム)大手のIroncladとの研究提携に踏み切ったと説明している。

11の契約実務タスクと強化学習による訓練

共同研究では、両社の知見をもとに法務・商務・調達の現場から11件のタスクが選定された。秘密保持契約(NDA)の設定や調達承認プロセスの構築、申請者が選択した法域に応じて再利用可能な法的条項を更新する作業など、熟練ユーザーでも1タスクあたり平均30〜40分を要する実務が含まれている。

各タスクは複雑さに応じて8〜50項目の詳細な採点基準(評価ルーブリック)で評価され、達成度と失敗箇所が測定された。また、Ironcladが提供した自社製品のホスト環境上で、OpenAIは代表的な業務フローをもとに合成訓練タスクを作成。試行錯誤を通じて行動を最適化する強化学習を適用し、実践とフィードバックを通じてモデルを改善したとしている。

「GPT-6 Astra」の検証結果:精度向上と時間短縮

11の研究タスクを用いた検証において、GPT-6 Astraは前世代モデル「GPT-5.6 Sol」を上回る成果を記録した。検証は各モデルが最高スコアを記録した推論設定(Astraは「Max reasoning」、Solは「High reasoning」)で実施された。

評価基準に基づく平均スコアは、GPT-5.6 Solの41.6%に対し、GPT-6 Astraは55.0%を達成し、約32%の向上を示した。1試行あたりの推定平均時間は37.0分から19.2分へと約48%短縮されたという(所要時間はモデルの処理速度などを前提としたシミュレーション上の推定値であり、顧客の実測値ではない)。なお、開発段階の社内モデルでは63.7%を記録したといい、今後のモデルへ反映させる計画だ。具体例のタスク比較でも、Astraが推定20分で約94%の基準を満たしたのに対し、Solは推定32分で約85%の達成にとどまったことが示されている。

業務統制の維持と共同研究パートナーの公募

契約業務では、エージェントが途中で社内規則を見失えば業務を任せられないため、人間の監視と契約プラットフォームの重要性が改めて浮き彫りになっている。Ironcladの最高技術責任者(CTO)であるスニータ・ヴァーマ(Sunita Verma)氏は、AIの実用化には個別の処理にとどまらず、統制を維持しながら契約ライフサイクル全体を把握することが不可欠だと述べている。

OpenAIは今回の取り組みを拡大するため、エージェントが現状では安定して完遂できない重要な専門業務を持つソフトウェア企業を対象に、共同研究パートナーの募集を開始した。具体的な失敗事例や成功基準、業務の専門家、安全な検証環境や研究用データの提供が可能な組織を求めている。

元URL