OpenAI、社内AI研究の自動化データを公開 エージェント稼働量が人間の労働量の3倍超に
要点
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OpenAIは2026年9月6日、社内におけるAIエージェントを活用した研究加速の現状と測定データを公表した。
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2025年秋に掲げた「2026年9月までに自動リサーチインターンを実現する」という目標の達成を報告した。
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社内研究者の利用は急増しており、人間の労働1日あたり3.1日分に相当するエージェント作業量が稼働している。
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2028年3月までに「自動AI研究者」の実現を目指す一方、安全性確保のため最新モデルの強化学習を一時停止した事例も明かした。
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米OpenAIは2026年9月6日、公式ブログにおいて、社内研究におけるAIエージェントの活用実態と研究自動化の進捗データを公開した。同社は昨年予告していた「自動リサーチインターン」の実現目標を達成したと測定結果を報告し、2028年3月までに「自動AI研究者」を構築するロードマップを提示している。最先端モデルの開発現場において、コーディングエージェントの総稼働時間が人間の労働時間を大きく上回る実態が明らかになった。
「リサーチインターン」目標を達成、2028年には完全な自動AI研究者へ
OpenAIによると、同社は2025年秋に公表していた「2026年9月までに自動リサーチインターンを実現する」という目標に到達した。同社が定義するリサーチインターンとは、人間の指示のもとで明確に定義された研究タスクを遂行できるシステムを指す。これには、熟練した人間の研究者が数日を要するような作業も含まれるという。
同社はこの成果を踏まえ、2028年3月までに「自動AI研究者(Automated AI Researcher)」を構築する計画に向けて順調に進展していると説明している。ディープラーニング(深層学習)やアライメント(AIの挙動を人間の意図や価値観に沿わせる技術)の反復的な改善作業を、人間の監督下で自律的に進められるシステムの確立を目指している。
人間の3.1倍稼働するエージェント、1日7000ドル超のトークン消費も
公開されたデータによると、2026年に入りOpenAI社内の研究者の日常業務は大きく変化している。コーディングエージェントの利用量は急拡大しており、社内の他チームを上回るペースで増加しているという。
具体的な利用状況として、研究組織内の中央値に位置する研究者は、2026年初めには控えめな利用にとどまっていたが、8月中旬には日常的にエージェントを業務へ統合するようになった。その推論利用量はAPI価格換算で1日あたり600ドルを超えている。さらに上位10%(90パーセンタイル)の高頻度利用者に至っては、1日あたり7,000ドル以上のトークンを消費している。
また、2026年6月以前は研究組織全体におけるエージェントの総稼働時間は人間の労働時間を下回っていたが、その後逆転した。8月中旬の時点で、標準的な8時間労働を基準とした場合、人間の労働1日分に対して3.1日分のエージェント作業量(agent-workdays)が投入されているという。同時に4つ以上のエージェントや派生したサブエージェントを並行して走らせるワークフローを採用する研究者も増えており、コードの記述量や実験の試行回数が大幅に増加していると報告されている。
人間による制御を維持、再帰的自己改善(RSI)には慎重姿勢
エージェントによる自動化が進む一方で、研究の優先順位付けや成果の評価、モデルのスケーリング(規模拡大)や配備の可否といった中核的な意思決定は、依然として人間の研究者が担っている。AI研究のプロセスには多くのボトルネックが存在するため、特定指標の伸びがそのまま研究全体の進歩速度に直結するわけではないとしつつも、エージェントが研究を有意に加速させているという社内の実感とデータは一致していると説明している。
また、OpenAIは自動化されたAI研究が知能のコストを下げ、安全対策や防御技術の開発にも貢献し得ると主張する。自動化された研究システム自体が、安全性やアライメントの研究者としても機能するためだ。一方で、AIが自らを急速に改良し続ける「再帰的自己改善(RSI: Recursive Self-Improvement)」について、急速な進展を無条件に追求すべきではないと強調した。人間による制御が維持できるか、また民主的な選択に基づくかどうかが前提になるとしている。
安全リスクによる訓練停止事例と、進捗公開の透明性
OpenAIは、安全性の確保が不十分なまま完全なRSIへ至る手法は確立されていないと認めており、リスクが許容できない場合は開発や配備を減速または停止する方針を示している。
実際に最近発生した「Hugging Faceインシデント」の後、同社は配備予定だった最新モデルの強化学習(RL)トレーニングを一時中断したことを明かした。この停止期間中に研究環境の堅牢化やレッドチーミング(攻撃者視点での安全性検証)、監視システムの拡張を実施したという。一部のワークロードは厳格な管理下で再開されたものの、一部は停止状態を維持している。
同社は安全基準を引き上げ、トレーニングの全工程を通じてアライメントされた挙動の証拠を求める体制に移行したと述べている。さらに、フロンティアモデルを開発する企業はRSIへの進捗を公に追跡・開示することが求められるべきだとの見解を示し、今後も測定手法の向上とともに透明性を保った情報開示を継続する方針を表明している。