OpenAI、自律型AIを構築・運用できる「Agents API」を公開——Codexの基盤環境をAPI経由で提供
要点
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米OpenAIは2026年9月10日、クラウド上で自律型AIエージェントを構築・実行できる「Agents API」のパブリックベータ版を発表した。
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単一のAPI呼び出しで、タスク、モデル、ツール、実行環境などを指定した本番運用向けエージェントを作成できる。
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同社の「Codex」などを支える実行制御基盤(ハーネス)を採用し、複数エージェントの協調や数日間にわたる長期実行に対応する。
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実行環境はOpenAIが管理するサンドボックスのほか、自社インフラやCloudflare、Vercelなど提携先クラウドを選択できる。
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先行導入企業では、応答失敗率の86%低減や1件あたりコストの60%削減、処理遅延の4分の1への短縮などが報告されている。
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米OpenAIは現地時間2026年9月10日、自律型AIエージェントをクラウド上で容易に構築・実行できる新サービス「Agents API」のパブリックベータ版を提供開始したと発表した。
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同社が提供する開発支援ツール「Codex」や「ChatGPT for Work」を支える運用基盤とインフラを、シンプルなAPIを通じて外部の開発者へ開放する。数日間に及ぶ信頼性の高いタスク実行や、複数エージェントの並列協調動作を容易に実現できる基盤を提供するとしている。
Codexの実行基盤を活用、単一のAPIコールで即座にエージェントを起動
自律型AIエージェントを実用化する上では、会話の文脈(コンテキスト)の管理や効率的なツール呼び出し、複数のサブエージェント(親エージェントから作業を委譲される補助AI)の統括を担う「ハーネス(実行制御システム)」が不可欠となる。また、コードの実行やファイル操作、中間結果の保存を安定して行う環境も求められる。
OpenAIはこうした課題に対し、自社でハーネスのホスティングと保守を一括して行う「Agents API」を開発した。開発者はAPIを1回呼び出すだけで、実行タスク、利用モデル、連携ツール、コンピュート環境を指定し、本番環境で稼働可能なエージェントを作成できるという。
公開されたコード例では、最新モデルの指定に加え、AIと外部システムを接続するオープン規格「MCP(Model Context Protocol)」を用いたツール連携や、最大同時実行数を指定したサブエージェント機能の有効化、シークレット管理用の保管庫(Vault)ID、スキルディレクトリの割り当てなどが1つのリクエスト内で定義できる仕組みが示されている。
OpenAI管理環境から主要クラウドまで選べるサンドボックス
Agents APIでは、エージェントがプログラムを実行する「サンドボックス(隔離された安全な実行環境)」を開発者側の要件に合わせて柔軟に選択できる。
手軽な導入と効率的な拡張を求める開発者向けには、CodexやChatGPTと同等の運用基盤を用いた「OpenAIホステッドサンドボックス」が提供される。OpenAI側が安全な環境をプロビジョニングし、ファイル操作やコード実行、成果物の生成を管理する。この環境には、独自のファイルやパッケージ、スキル、プラグインを柔軟に構成できるとしている。
一方で、独自のセキュリティや計算リソースを求める用途に対応するため、開発者自身のインフラ(VPC内)での運用や、外部のサンドボックス事業者との連携もサポートする。提携パートナーとしてBlaxel、Cloudflare、Daytona、DigitalOcean、E2B、Modal、Oracle、Runloop、Vercelの9社が挙げられており、CPUやGPU、メモリ構成、シークレット保存方法、コールドスタート速度やコスト要件に応じた環境を選択可能だとしている。
先行導入企業で遅延4分の1、失敗率86%減などの実績
OpenAIは、Agents APIを先行して本番ワークフローに組み込んだ顧客企業の成果を公開している。
AI開発プラットフォームを手がけるCiridaeでは、評価スコアが0.71から0.85へ向上したほか、サブエージェントの連携機能によって処理遅延(レイテンシ)を4分の1に短縮できたという。また、金融サービス向けAIを提供するHyphaでは、エージェントのハーネスとサンドボックスを分離して管理するアーキテクチャにより、エージェントの応答失敗率を86%削減することに成功したと報告している。
コストや処理効率の面でも高い成果が示されている。保険・リスク管理分野のSafetyKitは、ケース審査業務をAgents APIへ移行したことで、1件あたりのコストを60%削減し、トークン効率の大幅な向上を達成した。不動産プラットフォームのDwellyは、急激なトラフィック集中に対して数百のエージェントへ非同期に作業を分散し、アイドル状態のインフラコストを抑えながら結果を回収できたと述べている。
さらに物流分野のNash.aiでは、世界規模の配送ネットワークを管理する数千の長期稼働エージェントにAgents APIを適用している。数時間から数日に及ぶセッションの維持、状態復旧、複数ステップの処理実行をAgents APIが担い、現実世界の配送オペレーションを継続的に支えていると説明している。このほか、Long LakeやWithCoverage、deepsense.aiなども、コードベースの実装や独立レビュー、実ブラウザによる検証、多業種向けAI展開などで高いエンジニアリング品質と開発迅速化が得られたとしている。