OpenAIとGrab、東南アジアで3万人を対象としたAI教育プログラム「GO Forward with AI」を発表
要点
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米OpenAIと東南アジアのスーパーアプリ大手Grabは、2年間で3万人のパートナーに実用的AIスキルを提供する「GO Forward with AI」を発表した。
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シンガポールを皮切りに、タイ、インドネシア、フィリピン、マレーシア、ベトナムへ2027年にかけて順次拡大する。
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半日の対面ワークショップを通じ、売上データの分析や簡易Webサイト制作、新規事業計画の策定などを支援する。
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Grabの調査ではシンガポールのドライバーや配達員の半数が既にAIツールを利用しており、未利用者の87%も利用に前向きである。
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米OpenAIと東南アジアの配車・デリバリー大手Grab(グラブ)は2026年9月23日、東南アジア全域のドライバー、配達員、加盟店パートナー3万人を対象としたAIスキル習得プログラム「GO Forward with AI」を開始したと発表した。本プログラムは今後2年間にわたり展開され、ギグワーカー(単発の仕事を請け負う労働者)や中小規模の事業者が日々の業務や新たなビジネス創出にAIを活用できるよう支援する。シンガポールから開始し、2026年内にタイ、インドネシア、フィリピンへ拡大、2027年にはマレーシアとベトナムへと展開地域を広げる計画だ。
東南アジア全域で展開する3万人規模のスキル習得プログラム
「GO Forward with AI」は、汎用人工知能(AGI)の恩恵を広く届けることを目指すOpenAIと、東南アジアでの経済的機会拡大を推進するGrabによる共同イニシアチブである。また、OpenAIがシンガポールの現地パートナーと進めている取り組み「OpenAI for Singapore」の一環としても位置づけられている。
プログラムの展開は段階的に進められる。まずシンガポールで開始され、2026年後半にはタイ、インドネシア、フィリピンの3カ国へ拡大する。さらに2027年にはマレーシアおよびベトナムへと対象地域を広げる予定となっている。
OpenAIとGrabは、地域ごとに異なる参加者の職種や現地ニーズに合わせてカリキュラムを調整しながら、今後数カ月をかけて対面形式による半日のワークショップを各地で開催していく。さらに、Grabの教育部門であるGrabAcademyのトレーナー育成も並行して実施し、長期的にプログラムの受講機会を拡大できる体制を整えるという。
高い関心を背景に、現場の意思決定や起業を後押し
今回のプログラム設計の背景には、Grabの現場パートナーにおけるAIへの高い関心がある。Grabがシンガポールのドライバーおよび配達パートナーを対象に実施した調査によると、回答者の半数が既に何らかのAIツールを使用していると回答した。また、現時点で利用していない層においても、87%が「試してみたい」と前向きな姿勢を示しており、最も広く知られていたツールはChatGPTであった。さらに、多くのパートナーが既存事業の成長や新たな事業の立ち上げに関心を持っている実態も明らかになっている。
こうしたニーズに応えるため、「GO Forward with AI」のカリキュラムは参加者が直面する実際のビジネス判断に即して設計されている。OpenAI Academyの教育カリキュラムをベースとしており、以下のような実践的なユースケースを扱う。
- ドライバーおよび配達パートナー: ChatGPTを活用して新しい事業アイデアを検討し、自社の強みや差別化要素を整理した上で、事業開始に向けた具体的な実行計画を立案する。
- 加盟店(マーチャント): 販売データの傾向分析、プロモーション施策の企画、需要の変動予測や仕入れ判断の最適化にAIを活用する。
- 発展的なタスクの体験: ワークショップの実践演習では「ChatGPT Work」を用い、販売データをダッシュボードに変換する作業や、簡易的なWebサイトの構築、事業拡大プランの策定などを体験する。生成されたアウトプットを自ら評価し、その後の意思決定につなげる一連のプロセスを学ぶ。
プログラムについて、OpenAIで国際部門マネージングディレクターを務めるオリバー・ジェイ氏は、東南アジア全域でChatGPTの導入が進んでいる一方で、多くの人々が活用可能性の初期段階にとどまっていると指摘。「ChatGPT Workのようなエージェント型AI機能を活用し、業務効率化や新たな事業機会を生み出す自信を得てほしい」と説明している。
日常のAI支援から「自ら活用する」スキルへ
GrabとOpenAIは2024年から連携を深めており、OpenAIのAIモデルを搭載した「Driver AI Assistant(ドライバーAIアシスタント)」を開発・提供してきた。この機能は需要の高いエリアの案内や時間管理、日常的な疑問への回答などを支援し、これまでに約50万人のドライバーに利用されている。今回の「GO Forward with AI」は、既存のツール提供にとどまらず、パートナー自身が自らの目標達成のためにAIを使いこなす知識と自信を身につける場を提供するものだ。
Grabの最高組織能力責任者(Chief Organisational Capability Officer)であるオング・チン・イン氏は、「パートナーはAIに期待を寄せているが、実際の仕事や事業、目標にどう適用すべきかという具体的な指針を求めている。このプログラムは、加盟店がよりスマートなビジネス判断を下したり、ドライバーが新たな事業アイデアを模索したりするための自信を育むものだ」と述べている。
また、シンガポールで開催されたローンチイベントには、フー・シーシャン国務相や女性ドライバーパートナーらが参加した。実際にワークショップに参加したGrabドライバーのスハダ・アブドラ氏は、アイデアの着想から実行までを体験し、家業であるホーカー(屋台)ビジネスの支援や、副収入を得るための新プロジェクト立ち上げにAIを活用しているとコメントを寄せている。
OpenAIは、大規模な分析チームを持たない個人事業主やプラットフォームワーカーであっても、適切なトレーニングを受けることでAIを活用して自ら情報分析や計画立案を行えるようになり、機会の格差を縮めることにつながると説明している。