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The Hacker News

OpenAI役員会議室に盗聴機器を設置か 元エンジニアリングリードを米当局が逮捕

要点

  • 米司法省は、OpenAI本社の役員用会議室に盗聴器を設置したとして元従業員を逮捕した。

  • 容疑者は35歳のサウジ国籍で、超知能(SI)技術などの機密を盗聴しようとした疑いがある。

  • 機器はテレビ裏にトイレットペーパーで隠され、高度な暗号化や監視回避機構を備えていた。

  • 配偶者名義のチャットボットで機器製作が検索されたほか、放置された私物から2台目も見つかった。

  • OpenAIは自社AIで機器を特定しFBIへ通報したとし、モデル重み等の流出はないと説明した。

  • 米司法省(DoJ)は2026年10月9日、OpenAIサンフランシスコ本社の役員用会議室に盗聴機器を設置したとして、元エンジニアリングリードのAbdulrahman Alfozan容疑者(35)を通信傍受未遂などの容疑で逮捕したと発表した。容疑者はサウジアラビア国籍で、事件発覚後に同社を解雇されている。米連邦捜査局(FBI)は米国の超知能技術を狙った重大な防諜事案とみて捜査を進めており、有罪となった場合は最大で懲役5年が科される見通しだ。

会議室のテレビ裏に隠された盗聴機器と発覚の経緯

訴状によると、事態が発覚したのは2026年9月30日頃のことだ。OpenAIの従業員が役員用会議室を点検した際、室内のテレビ背面のUSBポートに不審な音声録音デバイスが接続されているのを発見した。機器はトイレットペーパーで包まれて外観から分かりにくく隠されており、9月28日頃に取り付けられたとみられる。

現場となった役員用会議室は、独自の技術研究や製品開発計画、事業提携をはじめ、技術進捗や戦略的決定、政府機関との関わりなど、一般に公開されていない最高レベルの機密情報が日常的に議論される部屋だった。

社内ツールの探索と監視カメラに残された不審な足取り

Alfozan容疑者は、役員用会議室への立ち入りや会議への参加権限を持っていなかった。しかし社内のCCTV(防犯カメラ)映像には、機器が発見される以前の複数の日程で会議室周辺をうろつく容疑者の姿が記録されていた。

さらに捜査の結果、容疑者が機器設置前に社内の業務ツールを使い、執拗に情報収集を行っていたことも判明した。建物の住所や会議室の収容人数・予約カレンダーに加え、役員や経営陣の居場所、外部パートナーとの面談日程などを事前に調べ上げていたという。

チャットボットを用いた機器設計と私物の「置き忘れ」

事件の背後には、AIチャットボットを用いて盗聴装置を準備した形跡も確認されている。容疑者の配偶者に関連付けられたアカウントから、9月24日から30日にかけて、機器の自作やカスタマイズ、隠蔽、遠隔アクセスに関する指示が送信されていた。「連続音声レコーダーの作成」「Wi-Fi接続のカスタマイズ」「SDカードの暗号化」のほか、機器固有のMACアドレス(ネットワーク機器の識別番号)に関するやり取りも行われていた。

10月5日には容疑者が会議室に入りテレビ裏を覗き込む姿が目撃されたほか、同日、社内の別室に置き忘れた私物バッグから財布や身分証とともに2台目の録音機器が見つかり、決定的な証拠となった。

自社AIで機器を解析、OpenAIは「重要データ流出なし」を表明

OpenAIは公式X(旧Twitter)で、社内で録音機器を発見した後、自社AIモデルを活用して「機器の正体や出所を解明した」と明かした。従業員による犯行と突き止めた上で、FBIに通報したという。

機器の仕様について、OpenAIが米メディアのTechCrunchに説明したところによると、高度な暗号化や音声監視機能に加え、社内監視を回避してデータを転送する仕組みが備わっていたとされる。

ただしOpenAIは、「現時点で、当該人物がモデルの重み(学習済みパラメータデータ)やソースコード、顧客データに不正アクセスしたり持ち出したりした形跡はない」と強調している。

容疑者の経歴と最高5年の禁錮刑

逮捕されたAlfozan容疑者は、カリフォルニア大学バークレー校でデータサイエンス修士号を取得後、米MetaのシニアシステムエンジニアやNashの創業エンジニアを経て、2025年7月にOpenAIへ入社していた。

FBIのKash Patel長官は「米国の超知能イノベーションを守ることは国家安全保障の最優先課題」と声明を発表した。容疑者には口頭通信の傍受未遂などの罪が適用され、有罪の場合は最高で5年の禁錮刑と25万ドルの罰金、釈放後3年間の監視付き釈放が科される可能性がある。

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