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The Hacker News

OpenAI役員会議室に盗聴器を設置した元エンジニアを勾留、サウジ王族との接触も判明

要点

  • 米裁判所は、OpenAIの役員会議室に盗聴器を設置したとされる元エンジニアのアブドゥルラーマン・アルフォザン容疑者について、米政府の勾留請求を認めた。

  • 検察の法廷提出書類により、同容疑者がサウジアラビア王族関係者と頻繁に連絡を取り、現地のAI事業への移籍を打診されていたことが判明した。

  • 容疑者は社内エージェントを悪用して役員会議室を特定し、暗号化機能を備えた自作の録音機器をテレビのUSB端子に仕掛けていたとされる。

  • 自宅捜索では同型の電子部品が押収されたほか、スマートフォンの写真から別の会議室の端子類を撮影していたことも明らかになった。

  • 容疑者は家族とともにリヤド行きの片道航空券を手配しており、裁判所は国外逃亡の恐れが高いと判断した。

  • 米連邦裁判所は2026年10月19日、OpenAIの役員会議室に不正な録音機器を設置したとして起訴された元エンジニア、アブドゥルラーマン・アルフォザン(Abdulrahman Alfozan)容疑者について、米政府による勾留請求を認める決定を下した。先週の逮捕発表に続き、検察側が提出した資料によって、同容疑者がサウジアラビア王族関係者から現地のAIイニシアチブへの参加を持ちかけられていた事実が新たに明らかになっている。口頭通信傍受の罪に問われており、有罪となった場合は最大5年の懲役刑が科される可能性がある。

社内ツール悪用による会議室特定と自作機器の手口

サウジアラビア国籍で35歳のアルフォザン容疑者は、2025年7月頃に年間基本給38万5,000ドルでOpenAIに入社した。司法省の発表によると、同容疑者はサンフランシスコ本社の役員用会議室にあるテレビ背面のUSBポートへ目立たない音声録音機器を差し込み、機密の会話を傍受しようとした疑いが持たれている。

検察の法廷書類によれば、同容疑者は設置の数週間前から、社内の業務支援を行う「OpenAI生産性向上エージェント」を利用していた。このツールを使って経営陣や役員が利用する会議室や外部パートナーとの会合場所を特定し、設置前には該当する会議室の周辺で多くの時間を過ごしていたという。

設置された機器には、テレビとのデータ通信を遮断する改造が施され、microSDカード内の録音データは暗号化されていた。容疑者は事前に妻のChatGPTアカウントを使い、音声を拾って圧縮したWAV形式でSDカードに常時保存する機器の自作方法を調べていたとされる。

サウジ王族関係者からの接触とAI事業への勧誘

2026年10月18日に提出された資料では、容疑者とサウジアラビア王族関係者との通信記録が明かされた。検察によると、容疑者は2025年から2026年にわたり、メッセージアプリ「WhatsApp」を通じて王族の一員と頻繁に連絡を取り合っており、逮捕4日前の10月5日にもやり取りしていた。

王族関係者はサウジアラビア国内でAI事業が立ち上がることを伝え、容疑者に合流するよう繰り返し求めていた。2026年5月には「米国よりもサウジがお前を必要としている」との連絡に対し、容疑者は同意を示す「100」と返信していたという。また、退職時期を尋ねられた容疑者は、付与された自社株の権利が確定する「ベスティング(勤務期間に応じて株式報酬の受給権を得る制度)」を迎えるまでは退職しない意向を示していたとされる。

自宅捜索で押収された電子部品と社内撮影写真

米政府による捜査は現在も継続しており、容疑者の自宅や電子機器から複数の証拠が押収された。自宅からは、OpenAIの会議室に設置されていた機器と同様の電子部品が複数見つかっている。

容疑者のiPhoneからは、2026年9月下旬に撮影された別の隠し録音機器の写真や、機密会議が行われていた第2の会議室を含む複数箇所のテレビ端子パネルを撮影した画像が発見された。さらに、9月に削除されたメモには各種録音機器へのリンクが残されており、その中にはオフィスや自宅で見つかった機器と同じハードウェアメーカーであるSeeed Studio(シード・スタジオ)の製品が含まれていた。

片道航空券の手配と国外逃亡リスクによる勾留判断

検察側は、容疑者が国外へ逃亡する危険性(フライトリスク)が極めて高いと主張した。アルフォザン容疑者は2026年10月12日に、妻および息子とともにサウジアラビアの首都リヤドへ向かう片道航空券を手配していた。

容疑者自身は出発3日前の10月9日に逮捕されたが、妻と息子は容疑者を残してすでに出国したという。妻は出国前日、ビザ失効に伴い息子とともにサウジアラビアへ恒久的に帰国すると連邦捜査局(FBI)に説明していた。

検察は、容疑者が潤沢な資金を持ち、米国と犯罪人引き渡し条約を結んでいない外国政府から強力な渡航支援を受けている可能性を指摘した。裁判所はこの主張を認め、容疑者の身柄勾留を命じる判断を下した。

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