OWN NEWS GATHER
← 戻る
OpenRouter Blog

OpenRouter、AIエージェントやモデル別の利用コストを詳細に可視化する「Activity」ダッシュボードを発表

要点

  • OpenRouterは、AIの利用状況やコストをエージェント、モデル、リクエスト単位で詳細に可視化・分析できる新機能「Activity」ダッシュボードを公開した。

  • ダッシュボードには、全体概況を把握する「Overview」や急激な利用変動を検知する「Trends」、多次元分析が可能な「Explore」、安全性監視の「Guardrails」が備わる。

  • チャートやランキング表の要素をクリックするだけで、該当する個別リクエストのログや詳細情報(推論コスト、レイテンシ、ルーティング経路など)へ直接ドリルダウンできる。

  • 提供されるすべての分析データはベータ版「Analytics API」経由でも取得可能で、エージェント向けの連携ツールもあわせて公開された。

  • AIモデルのルーティングプラットフォームを提供するOpenRouterは現地時間2026年8月17日、AIエージェントやモデルごとの利用状況・費用を包括的に分析できる新機能「Activity」ダッシュボードと、ベータ版「Analytics API」を発表した。近年急速に進むAIエージェントの導入に伴い、企業が直面している「どのエージェントにどれだけのコストがかかり、どれが費用に見合っているか」という課題に直接応えるものだという。

全体像と急変動を捉える「Overview」と「Trends」

「Overview」画面では、組織全体のAI利用状況を一目で確認できる。画面上部には、総支出、リクエスト数、トークン量、キャッシュヒット率、100万トークンあたりの加重平均コストという5つの主要指標が、前期比較やスパークライン(データの推移を示す極小の折れ線グラフ)とともに並ぶ。さらに同画面では、利用頻度の高い上位ユーザーやアプリ、モデル別の支出内訳、OpenRouterのクレジット払いとBYOK(Bring Your Own Key:利用者が自前で契約したAPIキーを持ち込む方式)の比較、プロンプトや推論トークンの内訳、プロンプトキャッシュによるコスト削減状況なども一覧できる。

一方、「Trends」画面は、利用規模の大きさではなく「変化の動き」に着目してデータを並び替える機能を備える。急増または急減しているモデルやユーザー、APIキー、アプリがサイドパネルにランキング形式で表示される仕組みだ。これにより、想定外にリクエストを乱発しているエージェント(暴走エージェント)の早期検知や、社内で急速に普及しつつある新モデルの把握が容易になるという。

自由な集計を可能にする「Explore」と安全監視の「Guardrails」

さらに多角的な分析を行うための機能として「Explore」が用意されている。ユーザーはメトリクスや集計軸を自由に選択し、独自の分析ビューを組み立てることができる。

選択可能なメトリクスには、支出額やリクエスト数、トークン数(プロンプト、コンプリーション、推論、キャッシュ)、キャッシュヒット率、加重平均コストに加え、レイテンシ(遅延時間)やスループットのパーセンタイル値(P50/P90/P99:全体の50%・90%・99%のリクエストが収まる数値)が含まれる。グループ化の軸はモデル、プロバイダ、APIキー、アプリ、ユーザー、ワークスペース、国、データリージョン、終了理由、コンテキスト長、カスタムユーザーID、独自に定義した分類器(Classifier)など多岐にわたり、最大2つのディメンションを掛け合わせることが可能だ。

時間軸の集計単位は分単位から月単位まで調整できるほか、時系列を排したランキング表への切り替え、棒グラフ・折れ線グラフ・ドットプロットといったグラフ形式の選択にも対応する。作成したカスタムビューは「自分のみ」または「組織全体」の公開範囲を設定して保存できるほか、CSVやPDF形式でのエクスポートも行える。

あわせて提供される「Guardrails」画面では、プロンプトインジェクション対策や機密情報保護のルールによってブロック、墨消し(リダクション)、フラグ付けされたリクエストの発生状況を監視できる。電話番号や人名、位置情報、IPアドレス、メールアドレスといった検出パターンごとの内訳を確認でき、どのルールが機能しているかを把握できるとしている。

チャートから個別リクエストのログへ直結

ダッシュボード上のあらゆるチャートやランキング表は、背後にあるリクエストログと直接連携している。特定日の棒グラフや積み上げグラフ内の特定モデル、一覧表の行をクリックするだけで、該当するリクエストに絞り込まれたログ一覧画面へ直接遷移する。

ログ内の各リクエストを展開すると「Generation」詳細パネルが開き、極めて細かな実行コンテキストを確認できる。ここには上流プロバイダでの推論コストやWeb検索、ファイル処理の費用、キャッシュによる割引額に加え、プロバイダのレイテンシ、スループット、TTFT(Time to First Token:リクエスト送信から最初の1トークンが出力されるまでの時間)などの性能データが記録される。さらに、実際に処理を担当したプロバイダやフォールバック(代替切り替え)の有無、呼び出し元のアプリやAPIキー、セッションID、ガードレールの発火状況なども網羅されている。

API連携とエージェント向けツールの提供

Activityダッシュボードで閲覧できるすべてのデータは、同時に提供開始されたベータ版の「Analytics API」を介してプログラムから取得可能となっている。OpenRouterはエージェント向けツールとして「openrouter-analytics skill」も公開しており、これを利用することで、AIエージェント自身が自らの利用状況を調査したり、ターミナル上で素早く数値を確認したり、自社の監視ダッシュボードへデータを統合したりできると説明している。

元URL