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OpenRouter Blog

OpenRouterが音声文字起こしAPIの提供を開始、既存の認証キーでWhisperなど複数のSTTモデルが利用可能に

要点

  • AIモデルの仲介プラットフォーム「OpenRouter」が、音声文字起こし(STT)APIの提供を開始しました。

  • チャット機能と共通のAPIキーと認証方式を利用するため、専用SDKの追加や個別契約が不要です。

  • 音声の秒数で課金される「Whisper-1」のほか、トークン単位で課金される新しいモデルもサポートします。

  • 同一モデルを複数プロバイダーが提供している場合は自動で負荷分散され、手数料の上乗せなしで利用可能です。

  • 送信データは25MBまでの直接アップロードかbase64エンコードに対応し、60秒のタイムアウト制限などがあります。

  • リード文:

  • AIモデルのAPI呼び出しを一元化するプラットフォーム「OpenRouter」は2026年7月22日、音声データをテキストに変換する文字起こし(Speech-to-Text:音声認識)機能の提供を開始した。チャット補完機能で使用しているAPIキーや認証情報をそのまま流用し、新しいエンドポイントにリクエストを送るだけで、多様な文字起こしモデルを利用できる。これにより、開発者は専用サーバーの構築や新規プロバイダーとの契約をすることなく、手軽に音声認識機能を実装できるという。

既存の開発環境を活かした統合

これまで、アプリケーションに音声文字起こし機能を組み込むには、オープンソースの音声認識モデルである「Whisper」を稼働させる専用サーバーを用意するか、文字起こしサービスを提供するプロバイダーと別途契約を結んでSDK(ソフトウェア開発キット)を導入する必要があった。

しかし、今回OpenRouterが提供を開始したエンドポイント(POST /api/v1/audio/transcriptions)を利用すれば、使い慣れたチャット機能と同じBearer認証を用いて、そのまま文字起こしリクエストを処理できる。また、同じモデルが複数のプロバイダーから提供されている場合は自動的にロードバランシング(負荷を複数のサーバーに分散する仕組み)が行われるため、特定のベンダーに負荷が集中するのを防げる。

課金体系の異なるモデル選択と検証方法

本機能では、2種類の課金体系のモデルから選択できる。一つは、OpenAIの「Whisper-1」に代表される、音声の長さ(1秒あたり)に応じて課金されるモデル。もう一つは、処理したトークン(テキストを処理する際の最小単位)の数に応じて課金される新しいSTTモデルである。開発者は、要求される認識精度や対応言語、予算に合わせてモデルを選択可能だ。

なお、これら文字起こし用モデルのIDは、通常のモデル一覧APIにはデフォルトで表示されない。利用可能なモデルを検索する際は、クエリパラメータに ?output_modalities=transcription を付与してリクエストを送信する必要がある。このリクエストから各モデルの最新価格情報を取得できるほか、Webブラウザ上で動作する「OpenRouter Playground」を使えば、ファイルをアップロードして事前に文字起こし結果をテストできる。

リクエスト仕様と移行の容易さ

文字起こしAPIを利用する際は、リクエストボディにモデル名と音声データを含める。音声はbase64エンコードデータ(data:で始まるプレフィックスは不要)を指定し、wavmp3flac などに対応する形式を指定する。オプションで言語コードやサンプリング温度、詳細なタイムスタンプを含むレスポンス形式(verbose_json)などを設定できる。

また、このAPIはOpenAI仕様の multipart/form-data によるファイルアップロード(最大25MB)にも対応している。そのため、すでにOpenAIの文字起こしAPI向けに作成されたプログラムがある場合は、接続先となるベースURLを https://openrouter.ai/api/v1 に変更するだけで、コードを書き換えることなくそのまま移行できる。25MBを超えるファイルは、base64でエンコードしてJSON形式で送信するルートを使用する。

設計上の制限とコスト管理

システムの設計にあたっては、いくつかの制約事項がある。まず、音声ファイルのURLを指定してOpenRouter側にダウンロードさせる機能はなく、データは直接送信しなければならない。また、上流プロバイダーとの通信において最長60秒の接続タイムアウトが設定されている。出力形式としては、字幕ファイルの規格であるSRTやVTTには対応していない。さらに、チャット機能で提供されている詳細なルーティング制御(order, allow_fallbacks など)は、現在のところこの文字起こしAPIでは適用されないと説明されている。

料金に関しては、OpenRouterによる仲介手数料の上乗せはなく、プロバイダーの元値のまま利用できる。レスポンスに含まれる usage.cost フィールドから、リクエストごとに発生した正確な米ドル換算の費用を確認できるため、利用料金の追跡も容易だという。

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