欧州旅行大手loveholidays、OpenAI「Codex」活用で全社開発を推進 デプロイ頻度73%増を達成
要点
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欧州のオンライン旅行大手loveholidaysが、OpenAIの「Codex」を活用して非エンジニアも開発やデプロイに参加できる体制を構築した。
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AI支援によるコード変更比率は1年で7%から79%へ急増し、エンジニア数を増やさずにデプロイ頻度が73%増加した。
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社内開発環境「Search Playground」を通じて10件以上の新機能が開発され、一部はすでに本番サイトで稼働している。
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データ基盤の変更成功率が58%から93%へ向上したほか、インフラ最適化により年間約13万6000ポンドのコスト削減を達成した。
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米OpenAIは2026年8月26日、公式ブログにおいて、欧州8市場でオンライン旅行予約サービスを展開する英loveholidaysにおける「Codex」の導入事例を公開した。同社ではプロダクトマネージャーやデザイナーなどの非エンジニアが直接開発に参加する体制を整え、生産性の向上と事業成果の創出を進めているという。
非エンジニアの参画でコード変更の79%がAI支援に
loveholidaysは、毎日60兆通りに及ぶ旅行パッケージの組み合わせを処理する大規模システムを運用している。同社では開発の属人化解消を進めており、Codexの導入によって企画や営業などの非エンジニアも直接コード変更やデプロイ(プログラムを本番環境へ反映する作業)を実行できる体制へと移行した。
エンジニアリング責任者のドミトリー・レルコ(Dmitri Lerko)氏は「全員がビルダーである」と述べ、開発がエンジニア専任の作業ではなくなったと説明している。
この体制転換により、1年前には7%にとどまっていたAI支援によるコード変更の比率は79%へと急拡大した。エンジニアの人員規模をほぼ横ばいに維持したまま、デプロイ頻度は73%増加したという。
「Search Playground」による迅速なプロトタイプ検証
非エンジニア主導の開発を支えているのが、社内環境「Search Playground」である。従来、新しい顧客体験のアイデアを試すにはエンジニアにプロトタイプ(検証用の試作品)作成を依頼する必要があり、開発待ちによる機会損失が生じていた。
同社は既存のデザインシステムやフロントエンド技術にCodexを組み合わせた環境を構築し、他部門が自力でアイデアを形にできるようにした。
同環境からはすでに10件以上の検索体験が生み出され、その大半は非エンジニアが作成した。旅行提案機能「Inspire Me」など少なくとも3件が本番サイトで稼働している。また、マーケティング用のマイクロサイト(特定企画向けに独立した小規模サイト)「Crisps from Abroad」では、外部委託を行わずCodexを用いて社内で数時間で構築を完了させたという。
専門知識のコード化とデータ基盤のセルフサービス化
Codexの活用は、データ基盤やインフラ運用のセルフサービス化にも及んでいる。同社のデータ基盤は専門性が高く、変更作業には技術者の個別対応が不可欠であった。
そこでエンジニアチームは、知見や検証ルールをCodexが案内するワークフローとしてコード化した。利用者は専門知識がなくても、Codexの支援を受けながら変更案の作成から自動検証、リリースまでを自己完結できる。
この結果、データプラットフォームにおけるAI支援の変更成功率は従来の58%から93%に向上し、サポート1件あたりの変更処理数は4倍に拡大した。インフラ全体の成功率も63%から90%へ改善し、エンジニアは日常的なトラブル対応から解放され、基盤自体の改善に専念できるようになったとしている。
年間約13万6000ポンドのコスト削減と事業インパクト
loveholidaysは、AIの評価軸としてツールの利用率ではなく事業への実質的な影響を重視している。CTO(最高技術責任者)のマイク・ジョーンズ(Mike Jones)氏は、「技術は手段であり、重要なのはビジネス課題を解決することだ」と語っている。
具体的には、余剰リソースを活用した最適化により、クラウドストレージ費用で年間約3万6000ポンド、データ処理の無駄削減で年間約10万ポンド、計約13万6000ポンドのコスト削減を達成した。
同社は、技術と人材の知見をAIで統合する「旅行のための汎用知能(general intelligence for travel)」の構築を目指している。レルコ氏は、Codexが全社をつなぐ共通のインターフェースになりつつあり、かつて困難だった作業が日常的なものに変わっていると述べている。