PFNが「Materialsセミナー2026」を開催、AIエージェントや粗視化ポテンシャル最適化など材料科学の最新研究を公開
要点
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株式会社Preferred Networks(PFN)は、材料分野の最新研究成果を紹介する「PFN Materialsセミナー2026」を2026年7月31日に開催した。
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講演では材料研究の全体方針に加え、粗視化ポテンシャル最適化や大規模言語モデル(LLM)を活用した材料研究AIエージェントなど4つのテーマが発表された。
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会場とオンラインの合計で100名以上が参加し、懇親会会場には200枚以上のスライドが掲示され活発な議論が交わされた。
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同社はシミュレータ「Matlantis」にとどまらない多様な技術の周知を図り、企業や研究機関との新たな共同研究の創出を目指している。
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株式会社Preferred Networks(PFN)のMaterials&Drug Discovery事業本部は2026年8月25日、同社公式テックブログにおいて、同年7月31日に開催した「PFN Materialsセミナー2026」の実施レポートを公開した。
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このセミナーは、材料科学と機械学習を融合させた同社の最新の研究開発成果や取り組みを社外に向けて紹介するイベントで、PFNオフィスでの現地参加およびオンライン配信を合わせて100名以上が参加したという。イベント内では、大規模言語モデル(LLM)を活用したAIエージェント技術やシミュレーション手法に関する4件の口頭発表に加え、200枚以上のスライドを掲示したポスターセッションが行われたことが報告されている。
セミナー開催の背景とPFNが目指す材料研究
PFNのMaterialsチームでは、計算化学の領域において材料科学と機械学習の融合が進む中、材料開発の現場が抱える課題と情報科学の各種技術を組み合わせた研究開発を進めている。同チームは机上の理論提案にとどまらず、現実世界の具体的な課題を計算可能にして解決へと導くことを技術開発の軸に据えていると説明する。
これまでに同社は、ENEOS株式会社との共同研究を通じて汎用原子レベルシミュレータ「Matlantis」(原子の挙動を高速かつ高精度に再現する計算プラットフォーム)を開発するなど、パートナー企業とのオープンイノベーションを積極的に展開してきた。
一方で、社外からは「Matlantis PFP」の研究開発企業というイメージが強く持たれがちであり、大規模シミュレーション技術やAIエージェント技術といった幅広い研究領域の取り組みが十分に伝わっていないという課題感があったという。こうした背景から、研究の全体像を発信して新たな共同研究のきっかけを作る目的で2025年に第1回セミナーを開催したところ好評を博し、実際に複数の新規共同研究につながったことから、今回の「PFN Materialsセミナー2026」の開催に至ったとしている。
4つの主要講演:AIエージェントによる自動化から粗視化ポテンシャルまで
当日の口頭発表セッションでは、2時間半にわたり各テーマを担当する同社のリサーチャーが登壇し、以下の4つのテーマについて講演を行った。
- PFN材料研究の方向性:同社が推進する材料科学分野の研究開発における全体戦略や注力領域について解説。
- 粗視化ポテンシャル最適化:複数の原子をまとまりとして扱うことで計算負荷を抑える粗視化モデルにおいて、粒子間相互作用を表すポテンシャルを最適化する手法。
- LLM① MI特化のAIエージェント:マテリアルズインフォマティクス(MI:情報科学を活用して材料開発を効率化する手法)に特化させた大規模言語モデルベースのAIエージェント。
- LLM② AIエージェントによる材料研究自動化:AIエージェントを活用し、材料研究における一連のプロセスや実験・計算の自動化を図る取り組み。
各講演では参加者から積極的な質問が相次ぎ、オフィス会場とオンライン配信を合わせて10件近い質問が寄せられた講演もあるなど、盛況のなかでセッションが進行したという。
200枚以上のスライドを掲示したポスター発表と活発な議論
講演終了後にPFNオフィスで開催された懇親会では、当日の講演資料や2025年の第1回セミナーで発表された資料など、合計200枚を超えるスライドが会場内に掲示された。
ポスター発表では、当日講演が行われた4テーマに加えて「分子結晶多形評価:Matlantis PFPによる順序予測からパッキング構造生成まで」(同じ分子が異なる結晶配列をとる多形現象の評価手法)が紹介された。さらに、前回のセミナーで発表された以下のテーマについても展示が行われたという。
- 高分子反応シミュレーション
- PFP/MM(PFPと古典力場を組み合わせた大規模系の反応シミュレーション手法)
- PFP中間層を活用した反応座標の自動構築とメタダイナミクス
- LightPFP(計算モデルの大規模系への展開)
- PFP Descriptors(PFP中間層を活用した物性表現)
- 反応経路生成
- 結晶構造予測
- 電気化学への展開
会場では、参加者が興味のあるテーマのスライドの前で各研究開発担当者と直接対話し、活発な議論が交わされた。参加者からは「前年度からのさらなる進化を感じられた」「ポスターの前で直接議論できたことで理解が深まった」といった声が寄せられたと紹介されている。
今後の展開と共同研究への期待
PFNは今回の開催報告において、セミナーがMaterialsチームの多面的な取り組みを知る契機となったことへの期待を示している。同社は今後もより多くの企業や研究機関との連携を図り、新しい計算手法の開発や実社会の課題に対するソリューション提案を推進するとともに、研究内容を広く社外へ発信する機会を継続して設けていく方針だという。