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AWS ML Blog

Reactiv、アプリ更新を自動化する「AI Scheduler」を構築——Amazon Bedrock AgentCore採用で作業時間を80%削減

要点

  • Shopify加盟店向けアプリ支援のReactivが、Amazon Bedrock AgentCoreを活用した自律更新機能「AI Scheduler」を導入した。

  • 自然言語の指示に基づき、3つの特化型エージェントが連携してアプリのコンテンツ更新を自動実行する。

  • 従来抱えていたマルチエージェント管理や永続メモリ、MCPサーバー接続の課題をマネージド基盤で解決した。

  • 加盟店の設定作業時間を80%削減したほか、機能開発から本番リリースまでの期間を33%短縮した。

  • Shopify加盟店向けにモバイルコマースプラットフォームを提供する米Reactivは、米Amazon Web Services(AWS)のAIエージェント構築基盤「Amazon Bedrock AgentCore」を採用し、アプリ更新を自律化する機能「AI Scheduler」を導入した。AWSが公式ブログで公開した事例記事によると、加盟店におけるアプリ設定の作業時間が80%削減されたほか、開発から本番環境への投入までの期間が33%短縮されたという。

モバイルアプリの高い転換率と運用負荷の課題

Reactivは、ECプラットフォームのShopify(オンラインストアの開設や運営を支援するコマース基盤)を利用する事業者向けに、iOSおよびAndroidのネイティブアプリを構築・管理できるサービスを提供している。同社によると、ネイティブアプリ経由の買い物客は、通常のWebサイト訪問者と比較して2〜4倍の購入率(コンバージョン率)を示すという。

一方で、アプリ経由の売上を維持するためには、掲載商品の更新やプロモーションに合わせたレイアウト変更、新たな画像素材の生成、公開スケジュールの管理など、継続的な手動作業が不可欠となる。ホームページの情報が陳腐化したり、セールの反映が遅れたりすることは直接的な売上損失につながるものの、多くの加盟店では毎週これらの一連の更新作業を行う人的リソースが不足していた。

Reactivはこれまでにも、管理画面のチャット上でAIアシスタントに対話形式で指示を出し、リアルタイムにアプリを修正できるノーコードビルダーを提供していた。しかし加盟店側からは、毎回手動で指示を出すのではなく、あらかじめ設定したスケジュールに沿って自律的に更新を行ってほしいという要望が寄せられていたという。

従来のアーキテクチャが直面していた4つの技術的制約

Reactivが自律型の定期更新機能を実装しようとした際、従来のシステム構成では以下の4点において技術的な制約が存在していた。

  1. マルチエージェントのオーケストレーション
    定期的な更新タスクを自律処理するためには、ユーザーの意図を判別するスーパーバイザー、加盟店の売上データを照会するアナリティクスエージェント、アプリの設定を生成するビルダーエージェントという、専門性の異なる複数のエージェントを有向グラフ(処理の流れを一方向に定義した構造)として協調動作させる実行基盤が必要とされていた。

  2. セッションをまたぐ永続メモリの不足
    従来の対話セッションは実行ごとに初期化されていたため、エージェントが加盟店の過去の好みや、以前に承認されたレイアウトの傾向を記憶して学習することができなかった。

  3. Model Context Protocol(MCP)の接続負荷
    Reactivの設定スキーマを管理するサーバー「Config MCP」はAmazon ECS上で稼働しており、Amazon Cognitoによる独自の認証基盤や、呼び出しごとのJSON-RPCハンドシェイクを手動で管理・実装する必要があった。なお、MCP(Model Context Protocol)とは、AIモデルと外部のツールやデータソースを標準規格で接続するためのプロトコルを指す。

  4. ツール定義に伴う管理オーバーヘッド
    ツールを利用可能にするたびにOpenAPI仕様書の記述、AWS Lambdaとの連携設定、アクションの割り当てが必要となっており、約100個に及ぶ仕様ファイルが2箇所の環境に分散して管理されていた。

3エージェント構成による自律実行とスタックの統合

これらの課題を解決するため、ReactivはAWSのマネージド基盤である「Amazon Bedrock AgentCore」とエージェント開発SDK「Strands Agents」を採用した。

新機能「AI Scheduler」では、加盟店が「毎週月曜日の午前9時に、ベストセラー商品を使ってホームページを更新してほしい」といった指示を自然言語で登録すると、システムが自動でスケジュール実行を行う。

システム内部では、AgentCoreのマネージド実行環境(AgentCore runtime)上で3つの特化型エージェントが連携して動作する。さらに、AgentCore memoryの機能を活用することで、セッションをまたいだコンテキストの保持が可能になった。Reactivは対話型のAIビルダーと定期実行型のAI Schedulerを単一の技術スタックに統合し、両モード間で加盟店のコンテキストやメモリを共有できる体制を整えたという。また、加盟店ごとのデータ分離も自動化された。

作業時間80%削減と迅速な本番投入を実現

Reactivによると、Amazon Bedrock AgentCoreの導入により、加盟店がアプリの設定に費やす作業時間は80%削減された。また、開発チームは数週間という短期間でシステムを本番稼働させることができ、本番リリースまでの所要期間(Time to Production)を従来比で33%短縮したとしている。

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