深圳のLYNOOK、卓上ハードウェアと空間技術を融合した3D型AIコンパニオンを発表——複数端末の磁気連結でキャラ同士の交流も実現
要点
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中国・深圳のスタートアップLYNOOK Technologyが、専用ハードウェアと独自の空間技術を組み合わせたデスクトップ向け3D型AIコンパニオン製品を発表した。
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画面上のテキスト対話にとどまらず、キャラクター独自の生活空間や日課、音声やタッチによる物理的なインタラクションを提供する。
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複数台のデバイスを磁石で物理的に連結することで、異なるユーザーのAIキャラクター同士が「隣人」として交流できる仕組みを備える。
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既存のAI対話アプリの多くが抱える「利用開始から数日で離脱される」という課題に対し、空間の共有や関係性の拡張を通じて長期的な体験価値の維持を目指す。
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創業チームにはテンセントのAI研究出身者や家電流通の経験者が参画し、アニメ・ゲーム分野のクリエイター陣とともに独自の世界観構築を進めている。
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中国・広東省深圳市に拠点を置くスタートアップのLYNOOK Technologyは2026年8月25日、独自の空間コンピューティング技術と専用の卓上ハードウェアを組み合わせた3D型のAIコンパニオン製品を発表した。画面上のチャットボックスを通じたテキスト対話が主流となっている既存のAIキャラクター製品とは異なり、キャラクターが独自の生活空間や日課を持ち、ユーザーの机の上で実在感のあるコミュニケーションを行える点が特徴だ。複数のデバイスを磁石で物理的に連結することで、異なるキャラクター同士が交流する独自のソーシャル機能も備えている。
単なる画面内チャットから「3Dの生活空間」へ
LYNOOKが開発したデスクトップ向けコンパニオン製品は、従来の対話型AIサービスが抱えていた単一の会話機能という制約を打ち破ることを目指している。独自に開発した空間コンピューティング技術とレンダリング技術を活用することで、ユーザーの目の前に触れて操作できる立体的な3D生活空間を構築したという。
この空間内において、AIキャラクターは画面上の単なる対話ウィンドウではなく、個別の生活シナリオや日常のルーティン、際立った個性を持つ存在として描かれる。ユーザーは日々の些細な出来事をキャラクターと共有できるほか、音声による会話や画面タッチを通じた細やかなインタラクションを行うことが可能で、物理的なデスクの上に確かな同伴感を生み出す設計となっている。
磁気連結による「隣人」システムと継続利用へのアプローチ
同製品の大きな特徴として挙げられるのが、複数端末の磁気連結による「キャラクターのご近所(neighbor)」機能だ。ユーザーが持つデバイス同士を磁石でスタック(連結)させることで、異なるユーザーのAIキャラクター同士がお互いの世界を行き来し、隣人として関係性を築いて交流できるようになる。
LYNOOKの創業者である羅景民(Luo Jingmin)氏によると、市場に存在するAIコンパニオン製品の60%以上は、利用開始からわずか5日ほどで使われなくなるという製品寿命の短さに直面しているという。同氏はその根本的な原因について、キャラクターが生活する空間やソーシャルネットワーク、ユーザーとの間で共有される体験の蓄積が不足しているためだと指摘している。
同社は、ハードウェアの連結によって生まれるソーシャルなつながりを通じて、ユーザーとAIキャラクターの関係を孤立した1対1のチャットから拡張された関係性へと変え、共有の思い出を積み重ねていくことで製品寿命を大幅に延ばす狙いだ。
技術・カルチャー・流通を融合した創業チーム
2026年に深圳市南山区で設立されたLYNOOKは、創業当初からアニメ・コミック・ゲームなどを指す「ACG」カルチャーへの深い理解を基盤に据えているという。
創業者の羅景民氏は、テンセントのAI研究機関である「Tencent AI LAB」で視覚アルゴリズムの研究に従事していた技術専門家であると同時に、中学時代にはACGコミュニティの管理者(ウェブマスター)を務めていた経歴を持つ。また、共同創業者である張嘉芸(Zhang Jiayi)氏はシドニー大学で学位を取得後、スワイヤー・グループ(Swire Group)でのコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)投資経験やコンシューマーエレクトロニクス分野の流通チャネルにおける知見を持ち、世界的なデザイン賞であるiFデザイン賞の受賞歴もある。
こうした技術力、カルチャーへの理解、流通チャネルの経験を併せ持つチーム体制によって、AIスタートアップが陥りがちな「ユーザー体験よりも技術開発を過度に優先してしまう落とし穴」を回避していると説明されている。
クリエイター採用と独自の世界観資産の構築
独自のAIキャラクター世界観を確立するため、同社はACG分野の専門人材の獲得を進めている。美術系の専攻者を対象としたイラストレーションやキャラクターデザインのインターンシップなどを実施し、ブランド独自のオリジナルキャラクターの外見、性格、生活シーンのデザインを共同で磨き上げているという。
キャラクターのコンセプトアートをはじめ、表情やモーションのライブラリ、ストーリー性を持たせたシーン画像などを段階的に整備し、長期的かつ統一されたビジュアルシステムとして資産化を進めている。
AIコンパニオン市場において多くのサービスが数百万規模のデイリーアクティブユーザー(DAU)の獲得を競うなか、LYNOOKは規模の拡大のみを追求するのではなく、ACGカルチャーを好むコアなユーザー層の情緒的なニーズを深く掘り下げる方針をとっている。専用ハードウェア、空間デザイン、そしてキャラクター同士の関係性を組み合わせることで、新しいAIコンパニオン体験の提供を目指している。