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世界初のオープン3T級AIモデル「Kimi K3」発表、2.8兆パラメータで高度なコーディング・自律的チップ設計を実現

要点

  • パラメータ数2.8兆、100万トークンのコンテキストウィンドウを備えた世界初のオープンな3TクラスAIモデル。

  • 独自のKDAおよびAttnResアーキテクチャを採用し、前世代のKimi K2と比べてスケーリング効率が約2.5倍向上。

  • GPUカーネルの最適化やコンパイラのスクラッチ開発、自律的なチップ設計など、高度なエンジニアリングタスクで高い実用性を実証。

  • 2026年7月27日までにモデルの重みデータ(ウェイト)を完全公開予定。

  • AIスタートアップのKimiは2026年7月17日(現地時間)、最新のAIモデル「Kimi K3」を発表した。パラメータ数は2.8兆に達し、オープンソースとして公開されるモデルとしては世界初の3兆パラメータ規模(3Tクラス)となる。本モデルは同社の各種サービスおよびAPIを通じて利用可能となっており、モデルの完全な重みデータは2026年7月27日までに公開される予定だ。

2.8兆パラメータの超大型オープンモデル

Kimi K3は、画像などを理解するネイティブなビジョン機能と、AIが一度に処理できるテキスト長を示す100万トークンの広大なコンテキストウィンドウを特徴とする。

本モデルには、情報の流れを最適化する「Kimi Delta Attention(KDA)」および「Attention Residuals(AttnRes)」という2つの新アーキテクチャが導入され、データの伝達効率が高められた。さらに、一部のネットワークのみを動かすことで計算を効率化する「MoE(混合エキスパート)」の手法を拡張し、「Stable LatentMoE」フレームワークを採用。総数896個のエキスパートのうち16個を動的にアクティブ化する。これらにより、前世代の「Kimi K2」に比べ、計算資源を性能に変換する効率(スケーリング効率)が約2.5倍向上した。

専門領域で示す圧倒的なコーディング能力

Kimi K3は、人間の介入を最小限に抑えて長時間の開発セッションを維持し、大規模コードベースやターミナルツールを制御する。

GPU(画像処理やデータ計算に特化したプロセッサ)用の計算プログラム「GPUカーネル」の最適化では、NVIDIA H200などの環境で24時間以内に自律的なプロファイリングや書き換えを実行。商用モデル「Claude Fable 5」に迫り、「GPT 5.6 Sol」などの他社モデルを上回る最適化結果を示した。

さらに、Tritonに類似した独自の軽量コンパイラ(人間が書いたプログラムをコンピュータ形式に変換するソフト)「MiniTriton」をゼロから開発。一部でTritonを超える性能を示し、実際のAIモデル(nanoGPT)の学習を安定して完遂させた。

自律的なハードウェア設計と科学研究への応用

チップ設計の概念実証では、Kimi K3は自らと同じアーキテクチャの超小型モデル向けプロセッサ設計に挑戦。設計・検証を行うオープンソースのEDA(電子設計自動化)ツールを使用し、48時間の完全な自律実行で完了した。完成した設計は4mm²の面積に146万個の標準セルなどを配置し、100MHzの動作周波数で毎秒8700トークン以上の処理を実行できることがシミュレーションで確認された。

科学研究の支援では、宇宙物理学における「I-Love-Q普遍関係」の再現実験を実施。20本以上の学術論文を自律的にレビューし、300以上の状態方程式を評価した上で、3000行以上のPythonコードとインタラクティブなHTMLダッシュボードを生成した。通常なら経験豊富な研究者が1〜2週間を要するプロセスを、約2時間で完了した。

ビジョンと融合したデジタル制作と提供形態

ビジョン機能とコーディング能力の動的な融合により、画像や動画からインタラクティブなデジタルコンテンツを作成できる。生成画面のスクリーンショットをAI自身が評価しコードに修正を加える「ビジョン・イン・ザ・ループ」手法を採用し、ゲーム開発やフロントエンドのデザインにおいてリアルタイムな品質向上を実現した。

全体的なパフォーマンスは、現在最高峰とされる非公開商用モデル「Claude Fable 5」や「GPT 5.6 Sol」には及ばないものの、オープンモデルの評価スイートでは他をルックアウトする性能を維持している。

Kimi K3はすでに、Kimi.comやAPIなどで提供が開始されている。当初は思考プロセスを最大化する「マックス思考エフォート」モードがデフォルトで適用され、モデルのすべての重みデータは2026年7月27日までに一般公開される予定だ。

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