シスコ、認証基盤「ISE」の最大深刻度ゼロデイ脆弱性を警告 悪用攻撃を確認、パッチ適用を呼びかけ
要点
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シスコシステムズがネットワーク統合認証基盤「ISE」において、CVSSスコア10.0の重大なゼロデイ脆弱性(CVE-2026-76460)を公表した。
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認証されていない遠隔の攻撃者がAPIエンドポイントを介して認証を回避し、最高権限であるroot権限を奪取できる恐れがある。
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脆弱性を悪用した実際の攻撃がすでに確認されており、米CISAも連邦機関に対して迅速な修正パッチの適用を指示した。
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本脆弱性に対する根本的な回避策はなく、シスコは各バージョンの修正パッチ適用およびログによる侵害有無の確認を強く求めている。
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今回のセキュリティ情報では、ISE関連の41件を含む計77件の脆弱性修正が同時に発表された。
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シスコシステムズ(Cisco)は2026年9月、同社のネットワークアクセス制御および認証プラットフォーム「Cisco Identity Services Engine(ISE)」に、最大深刻度となるCVSSスコア10.0の脆弱性が存在し、すでに悪用が確認されているとしてセキュリティアドバイザリを公開した。
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認証を受けていない第三者が遠隔からWeb管理インターフェースを迂回してシステムに侵入できる状態となっており、シスコは影響を受けるすべての管理者に対して速やかな修正ソフトウェアの適用を促している。
API認証の不備によるバイパスとroot権限奪取のリスク
今回公表された脆弱性は「CVE-2026-76460」として識別されており、共通脆弱性評価システム(CVSS)の深刻度スコアでは最高値となる10.0(クリティカル)が割り当てられている。
シスコの説明によると、本脆弱性はAPIエンドポイントにおける認証制御の不備に起因している。攻撃者は影響を受けるAPIエンドポイントに対して細工したリクエストを送信することで、正規の認証手順を経ることなくWebベースの管理インターフェースを迂回し、対象機器への不正アクセスを獲得できるという。
さらに同社は、攻撃が成功した場合に攻撃者が最高権限であるroot権限で任意のコマンドを実行できる可能性があると警告している。このレベルのアクセス権を奪われると、侵入の証拠や侵害痕跡(IoC)が攻撃者によって削除または隠蔽される恐れがある。シスコは現在この脆弱性を悪用した活発な攻撃活動を認識していると表明しているが、具体的な攻撃の手口や関与している攻撃者の詳細については明らかにしていない。
影響を受けるバージョンとパッチの適用
この問題は、機器の設定状況にかかわらず「Cisco ISE」および「Cisco ISE Passive Identity Connector(ISE-PIC)」に影響を及ぼす。シスコは各バージョン向けに以下の修正済みリリースを提供しており、アップデートを強く推奨している。
- バージョン 3.1:3.1 Patch 12 にて修正
- バージョン 3.2:3.2 Patch 11 にて修正
- バージョン 3.3:3.3 Patch 12 にて修正
- バージョン 3.4:3.4 Patch 7 にて修正
- バージョン 3.51:3.5 Patch 4 にて修正
シスコは本脆弱性を恒久的に防ぐ回避策は存在しないとしている。ただし、パッチを適用するまでの暫定的な緩和策として、インフラストラクチャ アクセス コントロール リスト(iACL)を用い、対象機器に向かうトラフィックを業務上必要な管理・制御プレーンの通信のみに制限する方法を案内している。
不正アクセスを検知するログ確認手順と対処
侵害の有無を調査する手段として、シスコはアクセスログ「access.log」を精査し、不審なユーザー名が記録されていないか確認することを推奨している。複数ノードで構成される分散展開環境の場合は、全ノードのログを個別に確認する必要がある。
不正なユーザー名を検出するためのコマンドとして、以下の例が示されている。
admin#show logging application ise-kong/access.log | include dummyuser
このコマンドを実行した際に出力結果が得られた場合、悪意ある活動が行われた可能性が高いとされる。シスコは侵害が検知された場合、影響を受けたノードの初期化とOS再インストール(再イメージング)を実施し、必要に応じて安全なバックアップから設定を復元するよう求めている。
米CISAがKEVカタログに追加、短期間での対応を命令
米国土安全保障省サイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁(CISA)は2026年9月16日、本脆弱性(CVE-2026-76460)を「悪用が確認された脆弱性(KEV)」カタログに追加した。
これに伴い、米国の連邦文民政府機関(FCEB)に対しては、2026年9月19日までに修正パッチを適用することが義務付けられた。極めて短い対応期限が設定された形となっている。
ISEやファイアウォール製品群で計77件の脆弱性を修正
シスコ製品における悪用が確認された脆弱性の発表は直近でも相次いでおり、数日前にもメールセキュリティ製品「Cisco Secure Email Gateway」のOS(AsyncOS)における重大な脆弱性(CVE-2026-76461、CVSSスコア 9.8)が公表されていた。
さらにシスコは今回、製品群全体のセキュリティ強化の一環として、合計77件の新しいCVEに対する修正を一斉に公開した。このうち41件がISEに、28件が「Secure Firewall」関連製品に影響するものとなっている。
今回公表された主な脆弱性は以下のとおりである。
- CVE-2026-20176(CVSS 9.9)、CVE-2026-20211(CVSS 9.1)、CVE-2026-20307(CVSS 9.1):有効な管理者資格情報を持つ攻撃者が、OS上で任意のコマンドを実行できる脆弱性。
- CVE-2026-76423(CVSS 10.0)および CVE-2026-76424〜76428:ISEおよびISE-PICにおける複数の欠陥。遠隔の攻撃者によるREST APIの認証バイパス、リモートコード実行、SQLインジェクション、XML外部実体(XXE)参照攻撃を許す恐れがある。
- CVE-2026-20282(CVSS 9.1)および CVE-2026-20283、CVE-2026-20284:認証済みの遠隔攻撃者によるSQLインジェクション、データ改ざん、OS上での任意コマンド実行を可能にする脆弱性。
- CVE-2026-20305(CVSS 9.1)、CVE-2026-20306(CVSS 9.1):ISEにおけるセキュリティ上の欠陥。