Tenda製ルーターのファームウェアに「隠しバックドア」、管理者権限を乗っ取られる恐れがあるとCERT/CCが警告
要点
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中国のネットワーク機器メーカーであるTenda(テンダ)製のルーター用ファームウェアに、文書化されていない認証バイパスの脆弱性が存在することが公表された。
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悪用された場合、攻撃者は有効な認証情報を持たなくても、ルーターのWeb管理画面に完全な管理者権限でアクセスできてしまう恐れがある。
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このバックドアはファームウェア内のWebサーバープログラムに組み込まれており、通常のパスワード検証に失敗した際に、設定内の代替パスワードとのプレーンテキスト比較を行う仕様になっていた。
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記事執筆時点で修正パッチは公開されておらず、リモート管理機能の無効化やデフォルトLAN IPアドレスの変更といった一時的な回避策が推奨されている。
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アメリカの脆弱性情報調整機関であるCERT Coordination Center(以下、CERT/CC)は2026年7月6日、中国のネットワークデバイスメーカーTenda(テンダ)がリリースしたルーターのファームウェア(機器を制御するソフトウェア)に、隠された管理者用のバックドア(不正侵入のための裏口)が埋め込まれていると警告した。悪用されるとデバイスのWeb管理画面に対して、管理者権限での不正アクセスを許してしまう危険性がある。この問題は「CVE-2026-11405」という脆弱性(セキュリティ上の欠陥)として管理されており、セキュリティメディア「The Hacker News」などが詳細を報じている。
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CERT/CCの発表によると、この脆弱性を悪用された場合、攻撃者は通常のログイン時のパスワード検証プロセスを完全にバイパス(回避)し、正しいログイン資格情報を持たずとも、ルーターの完全な管理者コントロール(制御権)を奪取できる恐れがある。
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影響を受けることが確認されている具体的なファームウェアのバージョンは、以下の5つである。
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US_FH1201V1.0BR_V1.2.0.14(408)_EN_TD -
US_W15EV1.0br_V15.11.0.5(1068_1567_841)_EN_TDE -
US_AC10V1.0re_V15.03.06.46_multi_TDE01 -
US_AC5V1.0RTL_V15.03.06.48_multi_TDE01 -
US_AC6V2.0RTL_V15.03.06.51_multi_T -
このバックドア機能は、ルーター内のWebサーバーとして動作しているバイナリ(実行可能なプログラムファイル)である「
/bin/httpd」の中の、「login()」と呼ばれる認証用関数の内部に存在していることが判明した。 -
この
login()関数は、通常時は入力されたパスワードを「MD5(ハッシュ関数と呼ばれる暗号化技術の一種)」で検証するが、認証に失敗すると代替のコードパス(プログラムの実行ルート)が起動する。具体的には、設定情報から代替パスワードを取得する「GetValue("sys.rzadmin.password")」を実行し、ユーザー入力値と「プレーンテキスト(暗号化されていない平文のデータ)」で直接比較する。一致した場合は「管理者レベル(role値=2)」の権限を持つ有効な「セッション(一時的な接続状態)」が作成され、ログインが許可される。さらに、バックドア用のユーザー名「rzadmin」の検証は行われないため、任意のユーザー名であっても代替パスワードが合致すれば認証をすり抜けられる設計になっているという。 -
CERT/CCは、「このバックドア認証メカニズムは文書化されておらず、管理インターフェースからも確認できない」と指摘する。これが悪用された場合、管理者が設定した強固なログイン資格情報は無意味になり、攻撃者はリモート(遠隔地)から勝手に設定変更やセキュリティ機能の無効化、システムの再構成を行えるようになる。結果として、ルーター自体の完全な乗っ取り(テイクオーバー)に繋がる非常に深刻なリスクとなる。
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この脆弱性は匿名の研究者によって報告されたものであるが、本記事の執筆時点(2026年7月7日)において、Tendaから修正パッチ(修正プログラム)は提供されていない。The Hacker NewsはTenda社にコメントを求めているが、回答は得られておらず、進展があり次第情報を更新するとしている。
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パッチが提供されるまでの暫定回避策として、ユーザーは管理画面で「リモート管理機能(外部インターネット経由での管理画面アクセス設定)」を無効にすることが推奨されている。また、デフォルト(初期値)のIPアドレス(ネットワーク上の識別番号)を標準の値から別の値に変更することも有効である。これにより、インターネット経由での接触を防ぎ、デフォルトIPを狙う自動攻撃スキャナーに発見されるリスクを低下させることができる。