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OpenAI Blog

ドイツの税務・法律事務所がChatGPTで変革、年間4万時間の創出と自律型AIへの挑戦

要点

  • ドイツの税務・法律事務所ネットワーク「HSP GRUPPE」がChatGPTを導入し、週アクティブ率84%を記録。

  • 従業員の98.6%が生産性向上を実感。年間4万時間以上の追加業務キャパシティ創出を見込む。

  • 文書作成や仕訳分類など、定型的専門業務をカスタムエージェントとして標準化。

  • 自律型AI「ChatGPT Work」を導入し、決算業務の自動化など業務プロセスの再設計に着手。

  • OpenAIは2026年8月7日、ドイツの独立系税務顧問・法律事務所ネットワーク「HSP GRUPPE」におけるChatGPT Enterpriseの導入事例を発表した。同グループは、単なる業務の迅速化にとどまらず、AIを組織の業務モデルに組み込む変革を推進。6ヶ月間の運用の成果と、自律型AI「ChatGPT Work」を用いた新たな業務プロセスの構築に向けた取り組みが明らかになった。

6ヶ月で50万回以上の対話、生産性向上を実感する従業員が98.6%に

HSP GRUPPEは、提携するKanzleipaktと共同のワークスペースを運用し、2026年2月1日〜7月14日の6ヶ月間で週平均755人、累計913人のユニークユーザーが利用した。週アクティブ率は84%に達した。

メッセージ数は50万回を超え、従業員の98.6%が生産性向上を、84.6%が仕事の質向上を報告した。さらに95.9%が毎週の労働時間削減を実感しており、うち63.5%が週に2時間以上、25.7%が週に5時間以上を削減。全体で年間約4万時間以上の業務キャパシティ創出を見込む。

組織的な導入アプローチとデータ保護ガバナンス

CEOのカーステン・シュルツ氏は、「技術の進化は組織の変革スピードよりも早い。当社の課題はAI導入ではなく、組織がそれを吸収できるようにすることだった」と語り、組織変革としてアプローチした。

浸透を促すため、毎月「AIフォーラム」を開催し、従業員間で実用例を共有する。セキュリティ機能を活かしつつ、独自のデータ保護や機密保持要件を適用。AI回答の最終レビューと責任は、常に税務や法律の有資格者が負う運用を徹底している。

業務の標準化を支える共有エージェントと現場の活用事例

同グループは、成功事例を「共有エージェント(用途別のカスタムAI)」として標準化。顧客宛て文書の下書き・トーン調整を行う「AI Client Communication」や、ドイツの標準勘定科目表に基づき仕訳の疑問に答える「Booking Assistant SKR03 & SKR04」などを共有した。

現場の個人利用も活発だ。フランク・ハイベル共同経営パートナーはChatGPTを「本物のスパーリング相手」として難解な税務問題の議論や顧客連絡文の推敲に使い、ヤン=ヘンリック・ライフェルト弁護士兼税理士も専門的判断を補強するツールとして活用している。また、不動産投資の評価作業を約9時間から約2時間に短縮した事例や、顧客との会議中にAIダッシュボードで財務の将来シナリオをリアルタイム検証する取り組みもあり、削減した時間は顧客との直接アドバイザリー業務に充てられている。

自律型AI「ChatGPT Work」による業務プロセスの根本的再設計へ

さらに同グループは、自律型AIプラットフォーム「ChatGPT Work」のパイロット運用も開始した。少数の開発者らでテストを行い、安全な自動化を検証している。

目的は人員削減ではなく、既存の未処理案件の解消とサービス強化だ。シュルツ氏は「既存プロセスの自動化ではなく、再設計こそが本質」と語る。

その代表例が決算業務だ。記帳の数ヶ月後に書類不足に気づく従来のプロセスを改め、ChatGPT Workで年間を通じて記帳内容を継続監査し、欠落情報を顧客へ自動要求する仕組みを検証中だ。担当者がファイルを開く前に事前準備を完了させる、新しい業務プロセスの構築を目指す。

補足

機密情報の取り扱いが厳しい専門職分野において、高度なエンタープライズ向けAIと厳格な人間によるレビュー体制を組み合わせることで、安全かつ大規模にAIを組織へ統合できることを示す好例といえる。

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