Visual Studio 2026向けGitHub Copilotの6月アップデートが発表、C++移行支援GAやPR連携など機能拡充
要点
- GitHub Copilotの利用制限や超過料金の発生をリアルタイムで追跡・警告する新ウィンドウが追加された。
- AI連携ツールのセキュリティを高めるため、MCPサーバーの起動時に信頼性を検証するダイアログ機能が導入された。
- C++コードを新仕様へ移行するモダナイゼーションエージェントが正式公開され、自動および対話型の実行が可能になった。
- 編集中のファイルであれば、カーソル位置から離れた場所のコード変更も予測して提案する高度な編集支援に対応した。
- GitHubやAzure DevOpsのプルリクエストをIDE内で直接レビューし、Copilotのチャット機能に文脈として読み込ませることが可能になった。
リード文
米GitHubは2026年7月14日、統合開発環境「Visual Studio 2026」向けの「GitHub Copilot in Visual Studio」における2026年6月のアップデート情報を公開した。今回の更新では、開発者が安心してAI支援を利用できるようにするための「透明性」と「信頼性」の向上に焦点が当てられている。具体的には、利用状況や課金のリアルタイム監視、セキュリティ強化のほか、C++開発者向けのモダナイゼーション機能などが正式リリースされたという。
本文
利用状況の追跡とコストの可視化
今回のアップデートでは、GitHub Copilotの従量課金モデルに対応した「Copilot Usage(利用状況)」ウィンドウが大幅に刷新された。これにより、開発者は自身のCopilotの利用状況をリアルタイムで可視化し、確認できるようになった。
さらに、利用制限が近づいた際や、上限に達した際、および超過料金(オベレージ)が適用されるタイミングにおいて、事前に警告を受け取れるプロアクティブなアラート機能が追加された。この画面は、Visual Studio内の「Copilotバッジメニュー」から「Copilot Usage」を選択することで開くことができ、設定画面から警告を表示するしきい値を調整することで、どのタイミングで通知を受け取るかをカスタマイズ可能である。
MCPサーバー接続時のセキュリティ向上
外部ツールとの連携を強化する中でのセキュリティ対策として、「MCPサーバー」の信頼性検証プロセスが新たに導入された。MCP(Model Context Protocol:AIモデルと外部のツールやデータを安全に接続するための標準規格)の動作において、Visual Studioの起動時に、接続するMCPサーバーの設定ファイルやアセットの電子署名(フィンガープリント)を信頼された基準値(ベースライン)と比較する処理が行われる。
もし何らかの変更が検知された場合、プログラムの実行前に確認と承認を求めるダイアログが表示される仕組みだ。この機能はデフォルトで有効化されており、オプション設定画面の「Tools > Options > GitHub > Copilot > Copilot Chat」の項目から動作の設定を変更できる。
C++向け移行支援機能の正式提供
C++開発者向けにプレビュー公開されていた「GitHub Copilot modernization agent(モダナイゼーションエージェント)」が、一般提供(GA)へと昇格した。これは、古いC++コードを最新のMSVC(マイクロソフト製のC++コンパイル・開発環境)仕様へアップグレードするための移行支援機能である。
動作モードには、すべての移行プロセスを自動で実行する「Automated(自動)」モードと、評価や修正計画、実行内容をステップごとに確認してから進められる「Guided(ガイド)」モードの2種類が用意されている。ソリューションエクスプローラー上で対象のプロジェクトを右クリックして「Modernize」を選択するか、チャット画面で「@Modernize」と指示することで呼び出すことができる。
カーソル外の編集予測とプルリクエスト連携の強化
コード記述支援もさらに洗練された。従来のインライン提案機能が拡張され、カーソル周辺のコードだけでなく、開いている同一ファイル内の離れた場所における次の編集箇所を予測して提案する「長距離次候補提案(Long-distance next edit suggestions)」が利用可能になった。この機能はテキストエディタのインライン提案設定から「拡張範囲提案」を選択することで有効化できる。
また、チーム開発の要である「プルリクエスト(コードの変更を共有・マージするための要求)」との連携も深まった。Gitリポジトリ画面から任意のプルリクエストを選択してCopilot Chatに追加すると、その説明文や変更されたファイル、コメントといった文脈をAIが自動で取得する。さらに、インラインチャットで「#」に続けてプルリクエストの識別番号を入力するだけでも参照可能となった。なお、この機能の利用には、プレビュー機能内の専用設定を有効にする必要があるという。
IDE内で完結するコードレビュー
加えて、Visual Studio内だけでプルリクエストのレビューや承認を行える新しいレビュー体験が導入された。GitHubおよびAzure DevOpsに対応しており、統合開発環境(IDE:コード編集やビルド、デバッグなどの開発作業を一つのアプリケーション上で提供するソフトウェア)を離れることなく、変更履歴の確認からコメントの書き込み、承認、マージ作業までを完結できる。必要に応じて、これらのレビュー対象コードをCopilot Chatに引き込み、優先度の整理や要約の支援を受けることも可能である。
本アップデートは、Copilot FreeからPro、Business、Enterpriseに至るまで、すべてのGitHub Copilotプランの契約者が対象となっており、最新のVisual Studio 2026をダウンロードすることで利用できる。
補足
Visual Studioはマイクロソフト社が開発する主要な統合開発環境であり、近年はGitHub Copilotを通じたAIコーディングアシスタント機能の統合と強化が活発に行われている。