VS Code向けGitHub Copilotが大型アップデート、ブラウザ機能のGAや自律動作「Autopilot」強化など多数の新機能を追加
要点
- 開発中のWebアプリをエージェントが自律的に操作・検証できる「インテグレートブラウザ」の各種ツールが一般提供(GA)された。
- 複数の開発タスクを個別のワークスペースで並行して進められる「並行セッション」機能や、セッション内での複数チャットがサポートされた。
- 単一のリクエストだけでなく、セッション全体や委譲されたサブエージェントごとのクレジット消費量を可視化するコスト確認機能が追加された。
- ユーザーによる毎ステップの確認を不要にする「Autopilot」のタスク完了判定と、自律的な作業進行プロセスが向上した。
- 最大100万トークンのコンテキストウィンドウへの対応や、公式Ollama拡張機能のサポートなど、モデルの選択肢や管理機能も拡充された。
- GitHubは2026年7月8日、統合開発環境(IDE)「Visual Studio Code(VS Code)」向けのAI開発アシスタント「GitHub Copilot」において、2026年6月から7月初頭にかけてリリースされたバージョン(v1.123からv1.127)での最新アップデート情報を公開した。今回の更新では、日々の開発フローを妨げることなく、エージェントによる作業管理やコストの把握、モデル選定、自律動作の制御などをより快適に行うための機能が多数盛り込まれている。
Webアプリの検証も可能にするインテグレートブラウザの機能強化
今回のアップデートにおける大きな目玉のひとつが、VS Codeに内蔵されたインテグレートブラウザの進化である。エージェントがWebページを操作し、表示内容の検査やスクリーンショットの撮影、Webアプリの動作検証をVS Code上で直接実行できる「エージェント向けブラウザツール」が一般提供(GA)され、デフォルトで有効化された。
通常のブラウジング機能も強化され、お気に入り登録や閲覧履歴の管理、Web検索が利用可能になったほか、カメラや位置情報、マイクなどのデバイス権限設定も追加されている。また、画面全体のスクリーンショットや特定エリアのキャプチャをチャットに追加し、Webページの視覚的なコンテキスト(AIが周囲の状況を把握するための文脈情報)としてエージェントに提示する手段も用意された。さらに、パブリックプレビュー機能として、リモート環境での作業中にインテグレートブラウザから発生するHTTP/HTTPS通信を、リモート接続経由でプロキシ(通信を中継する仕組み)する機能も追加されている。
並行セッションとチャットの整理による作業の効率化
エージェントの作業空間である「Agents」ウィンドウでは、複雑なタスクを効率的に並行処理するためのアップデートが行われた。「並行セッション」のサポートにより、異なるタスクに向けた複数のエージェントセッションを同時に起動・表示できるようになり、個別のタスク切り替えがスムーズになっている。
また、1つの大きな開発目標を「実装」「レビュー」「テスト」「ドキュメント作成」といった個別のワークストリームに分割し、1つのセッション内で独立したチャットとして整理・管理する機能も追加された。関連するセッションをドラッグ&ドロップ操作でグループ化したり、順序を並べ替えたりすることも容易になっている。
クレジット消費の可視化とコスト管理
開発プロセスにおけるコストの透明性を高めるため、コスト表示機能も大幅に強化された。これまではリクエストごとの表示にとどまっていたが、今回の更新により、チャットセッション全体で消費されたクレジットの総量が表示されるようになった。
また、作業が「サブエージェント(特定の作業を分担して処理する子エージェント)」に委譲された場合、それぞれのサブエージェントが消費したクレジットの内訳も個別に監査できる。全体的な利用状況については、GitHub Copilotのステータスダッシュボードから追加の消費状況を追跡することも可能だ。
Marketplaceを通じたモデル提供とAutopilotの自律性向上
VS Code内からモデルプロバイダーを探索できる機能も追加された。「Language Models」エディタからモデル提供用の拡張機能を検索し、Marketplace経由で直接インストールできる。さらに、統一されたピッカー画面から、AIが一度に処理できる情報量を示す「コンテキストサイズ」や、思考の深さを調整する「推論の労力(Reasoning Effort)」を素早く設定できるようになった。
エージェントに都度の確認を求めることなく作業を実行させる権限レベル「Autopilot」も改良された。エージェントが「要求された開発作業が実際に完了したか」をより賢く判断できるようになり、手動での軌道修正を減らして、自律的に作業ステップを進行する能力が向上している。
開発ワークフローを支えるその他の改善点
このほかにも、開発者の利便性を向上させる多くの機能が追加された。
- セッションの同期と履歴検索: チャットセッションをGitHubアカウントと同期し、異なる開発機やワークスペースをまたいでコーディング履歴を検索可能にした。
- エディタ上のフィードバック: エディタの「gutter(行番号が表示される左側の余白部分)」から、エージェントによるコード変更箇所に直接コメントを残せる機能が導入された。
- スマートなプルリクエスト作成: セッションの文脈から自動的にタイトルと説明文を生成し、セッションから直接プルリクエストを作成できる。
- 100万トークンのコンテキストウィンドウ: 対応するAnthropicやOpenAIのモデルで、巨大なコードベースや長時間の対話に適した広大なコンテキストウィンドウが利用可能になった。
- 公式Ollama拡張機能: ローカル環境でAIモデルを動作させるツール「Ollama」のサポートにおいて、内蔵プロバイダーから公式のVS Code拡張機能へ移行し、迅速なアップデートが可能になった。
- エンタープライズ向けの管理機能: WindowsおよびmacOSのデバイス管理機能や、JSONファイルを用いた管理設定を通じて、チームにCopilot設定を一括適用できる。
- MCP OAuth認証情報: AIと外部ツールを繋ぐ「MCP(Model Context Protocol)」の認証において、事前登録されたOAuthクライアントIDを構成し、クライアントシークレットをVS Code内の安全なストレージに保管する。
- 自動更新の遅延設定: 拡張機能の新バージョンが公開された後、自動適用されるまでに2時間の遅延(安全バッファ)を設定し、予期せぬ不具合から開発環境を守る。
これらのアップデートにより、VS Codeはエージェントを活用した自律的開発のための環境としてさらに進化し、開発者やチームが安心してコードを構築しデプロイできる基盤が整えられている。