衛星画像から地球規模の解析マップを高速生成——Ai2が新プラットフォーム「OlmoEarth Platform」を発表
要点
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米アレン人工知能研究所(Ai2)が、地球観測用の基盤モデルを効率的に運用するためのインフラ「OlmoEarth Platform」を発表した。
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約10テラバイトの衛星データで学習されたモデル「OlmoEarth」を、専門インフラを持たない環境保護団体でも容易に活用できるようにする。
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処理を「データ前処理」「推論」「後処理」の3つに分割し、CPUとGPUを適材適所で使い分けることで処理効率を向上させた。
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大陸規模の推論を約1日で完了でき、数十テラバイトの画像を1平方キロメートルあたり数分の一ペニーという低コストで処理できる。
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米アレン人工知能研究所(Allen Institute for AI:Ai2)は2026年7月28日、地球観測用の基盤モデル(大規模なデータで事前学習された汎用的なAIモデル)の微調整(特定のタスクに合わせた追加学習)から大規模な推論(学習済みモデルによる予測処理)までを一貫して実行できるインフラ「OlmoEarth Platform」を発表した。同プラットフォームは、環境問題に取り組む政府やNGOなどの組織が、インフラ管理の手間をかけずに高度な衛星データ解析モデルを活用できるように構築された。これにより、森林火災リスクの評価や森林減少の監視といった地球規模の解析が、低コストかつ短時間で実行可能になるという。
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Ai2はすでに、約10テラバイトの衛星データで事前学習された地球観測基盤モデル群「OlmoEarth」を公開しており、森林減少の監視や森林火災リスクの評価などに活用されている。しかし、現場の環境組織の多くは、データの準備やモデルの微調整、大規模推論といった一連の工程を管理するインフラや専門チームを持っていない。Ai2は、これまで10年以上にわたり「Skylight」や「EarthRanger」などのプラットフォームを運用してきた経験から、モデルを適切なタイミングで効率的に動かし、生の出力を実用的な洞察へ変えることの重要性を認識し、この課題を解決するために本プラットフォームを構築したと説明している。
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地球観測における大規模推論は、一般的な機械学習モデルとはスケールが異なる。一般的なテキスト処理などでは数メガバイトのデータを1秒未満で処理するが、地球観測モデルの推論では、テラバイト単位のデータを動かし、数時間に及ぶ。また、複数のプロバイダーから提供される衛星画像は投影法(地球を平面の地図として表現する投影規則)や解像度が異なる上、雲による遮りやデータの欠損も含む。予測結果も地図として出力されるため、周囲の領域と正確に座標を整列させる必要があり、画像のダウンロードや準備などの処理が実行時間の多くを占める。
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この課題に対し、OlmoEarth Platformでは、データ準備などのI/O(入出力)処理をすべて高価なGPUで実行すると、GPUがアイドル状態になり効率が低下するという点に着目した。そこで、推論プロセス全体を「データ前処理」「推論」「後処理」という3つのステージに分割し、それぞれに最適なハードウェアを割り当てている。
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第1段階の「データ取得と前処理」は主にCPU環境で実行され、画像の取得、再投影、位置合わせ、正規化を行って高速ロード可能な形式で保存する。第2段階の「推論」ではGPUを使用し、モデルの順伝播(入力データから予測値を算出するプロセス)を実行して出力をストレージに直接書き出す。最後の「後処理」では再びCPU環境で領域ごとの出力を繋ぎ合わせ、ZarrやGeoTIFF、GeoJSONといったユーザーが扱いやすいフォーマットでエクスポートする。
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このパイプラインを多くのマシンに分散し、マルチプロセスでGPUにデータを供給し続けることで、GPUの稼働率を最大化している。現在、同プラットフォームにより、大陸規模の領域にわたる推論処理を約1日で実行できるという。数十テラバイトの画像を処理するコストは、1平方キロメートルあたり数分の一ペニー(1ペニー未満)に抑えられており、北米の森林火災リスクマップが作成された実績もある。
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また、実行レイヤーである「OlmoEarth Run」は、対象地域を個々のコンピューティングインスタンス(ワーカー)が処理できるサイズに分割し、さらにモデルが処理する小さなウィンドウに細分化して並列処理を行う仕組みを提供している。