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The Hacker News

xAIのコーディングツール「Grok Build」がGitリポジトリ全体を無断アップロード、すでに機能は停止

要点

  • コーディング用CLI「Grok Build」が、必要なファイルだけでなくGitリポジトリ全体とコミット履歴をxAI側のストレージに送信していたことが判明しました。

  • 「モデルの改善」オプションを無効にしていてもデータ送信は行われており、モデルのやり取りに必要なデータ量の約2万7800倍に及ぶデータが送信されていました。

  • 送信データには、モデルが読み込んでいないファイルや、秘匿化処理が施されていない設定ファイル内の認証情報が含まれていました。

  • xAIはサーバー側の設定を変更してこのアップロード機能を停止しており、イーロン・マスク氏はこれまでに収集したユーザーデータを完全に削除すると表明しています。

  • xAIが開発するコーディング用のコマンドラインツール(CLI:コマンドを入力して操作するソフトウェア)「Grok Build」が、タスクの実行に必要なファイルだけでなく、Gitリポジトリ(ファイルの変更履歴を管理する領域)全体やコミット履歴をxAI側のサーバーへアップロードしていたことが、セキュリティリサーチャーの調査により2026年7月14日までに明らかになりました。さらに、同ツールが読み取った機密情報が、マスキングなどの秘匿化処理を施されずにそのまま送信されていたことも判明しています。xAI側はすでにサーバー側の設定変更によってこのアップロード機能を無効化しており、これまでに収集したデータの完全削除を進める方針を示しています。

  • 調査を行ったのは、セキュリティリサーチャーの「cereblab」氏です。同氏がGrok Buildのバージョン「0.2.93」を用いて検証したところ、モデルとの通常の通信(/v1/responses)とは別に、Google Cloud Storage上のバケット(データを保存する領域)「grok-code-session-traces」宛ての通信(/v1/storage)が発生していることが確認されました。

  • 12GBの容量を持つリポジトリでテストした際、モデルへの通信は約192KBだったのに対し、ストレージへの送信データは5.10GiBに達しており、送信量は約27,800倍に及んでいました。このデータは1回あたり約75MBのチャンク(分割されたデータのかたまり)として計73回に分けて送信されていました。同氏は、モデルに「読み込まないように」と明示的に指定しておいたテスト用ダミーファイル(canaryファイル)が、コミット履歴とともにそのまま送信され、サーバーに保存されていたことを突き止めました。なお、今回の調査で実証されたのはデータの「送信・受信・保存」であり、xAIがこれらのコードをモデルの学習に使用したか、同社のスタッフが閲覧したかについては確認されていません。また、Gitの管理対象外となるファイルなどが常に含まれていたかも不明です。

  • さらに、Grok Buildがファイルを読み取る際、その内容がそのままモデルのやり取りに組み込まれる仕様になっており、テスト用の設定ファイル(.env)に記載されたAPIキーやパスワードといったダミーの認証情報(アカウントへのアクセスに必要なパスワードやアクセスキーなどの機密データ)が、何の秘匿化処理(機密情報を削除・隠蔽する処理)も施されないまま送信されていました。この情報は、作業状態を記録するアーカイブファイルにもそのまま含まれ、ストレージに送信されていました。

  • 開発者が一般的に選択する「モデルの改善(Improve the model)」を無効にする設定も、このアップロードを止める役には立っていませんでした。設定をオフにしてもアップロードは継続され、サーバーの応答(/v1/settings)では「trace_upload_enabled: true」(トレース送信有効)が返され続けていました。これは「データを学習に使うか」と「コードをサーバーに送信するか」という別々の管理項目のうち、片方しかユーザーに公開されていなかったためです。

  • 他ツールとの比較では、「Claude Code」や「Codex」はリポジトリ全体のデータを送信しておらず、「Gemini」もアイドル時のテストでは送信を行っていませんでした。このようにワークスペース全体を丸ごと収集する動作はGrok Build固有の挙動だったと指摘されています。

  • この問題が指摘された後、2026年7月13日にGrok Buildからのストレージへの送信は停止しました。サーバー側が「disable_codebase_upload: true」(コードベースの送信無効)などのフラグを返すように設定変更されたためで、クライアントソフトのアップデートなしにサーバー側で修正されました。また、別の開発者であるPeter Dedene氏も同様のフラグ変更を確認しています。

  • xAIはX(旧Twitter)の公式アカウント(@SpaceXAI)にて、エンタープライズ向けの「ゼロデータ保持(ZDR:データをサーバーに残さない設定)」やAPIキーの利用ではデータは保存されないと説明しています。一般ユーザーに対しては、CLI内で「/privacy」コマンドを実行することでデータ保持を無効化し、同期済みのデータを削除できると案内しています。イーロン・マスク氏も、過去に収集した全ユーザーデータを完全に削除すると明言しました。

  • 元記事は、ツールを使用した開発者に対し、Grok Buildに読み取らせた認証情報や、Git of コミット履歴(過去にコミットした後に削除したものも含む)に存在するすべての機密情報を直ちに変更することを推奨しています。

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