中国XPeng、人型ロボット「IRON」の自動化生産ラインを稼働開始 完成機が自律歩行でラインオフ
要点
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中国のEVメーカーXPengが、人型ロボット専用の自動化生産ラインの稼働開始を発表した。
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製造された初号機「IRON」は、自動組み立て工程を経て自律歩行で生産ラインから退出した。
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3基のTuring AIチップにより最大2,250 TOPSの計算力を備え、オンデバイスでの自律動作に対応する。
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2026年末の量産開始と2027年の商用納品を予定し、ロボット部門は直近で9億ドル超の資金を調達した。
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中国の電気自動車(EV)メーカーXPeng(小鵬汽車)は、人型ロボット向けの自動化生産ラインが本格稼働を開始したことを発表した。同ラインで製造された汎用人型ロボット「IRON」の第1号機は、最終組み立て工程を自動で完了したのち、自律歩行によって生産ラインからラインオフ(退出)したという。同社は今回の稼働開始をもって、人型ロボット事業が研究開発(R&D)段階から本格的な量産段階へと移行したと説明している。
自社開発ラインによるコア工程の80%自動化と自動車製造ノウハウの応用
XPengによると、IRONは自動化された生産ラインで製造される世界初の高水準な汎用人型ロボットだという。この生産ラインは、同社の自社チームによって設計および構築された。
同ラインには、XPengが自動車産業向けに開発してきた製造システムや品質管理システムが組み込まれている。人型ロボットの組み立てに求められる高精度かつ柔軟な作業に合わせて最適化されており、ラインにおける中核工程の80%以上が自動化されているという。
現在、人型ロボット市場は商業化の初期段階にあり、多くの製品は大規模な量産体制に至っておらず、製造工程の多くを手作業に頼っている。自動化生産ラインの構築は、製造効率の向上や製品品質の均一化をもたらし、生産規模を拡大するための基盤になると期待されている。一方で、人型ロボットは多数の精密部品や複雑な機械機構で構成されているため、自動車の製造ノウハウをそのまま全工程に適用できるわけではなく、量産体制における実際の効率や製造コストの検証は今後の課題とされている。
「IRON」のハードウェア仕様とオンデバイスで動くフィジカルAI
IRONは、XPengが掲げる「フィジカルAI(Physical AI)」戦略の一環として開発された汎用人型ロボットだ。現実世界の多様な環境で稼働し、幅広いタスクを実行できるよう、ハードウェアとソフトウェアが一体となった統合プラットフォームの開発が進められている。
機体構造には、完全密閉型のフレキシブル格子構造が採用されている。全身には合計76箇所の自由度(関節や可動部の動く軸数)が備わっており、そのうち21自由度が手部に配置され、複雑な作業に対応する設計となっている。
頭脳となる演算部には、XPeng自社開発の「Turing AIチップ」が3基搭載されており、実効で最大2,250 TOPS(1秒間に2,250兆回の演算処理能力)の計算力を発揮する。これにより、フィジカルAIモデルをロボット本体内で直接実行(オンデバイス処理)することが可能となった。人間による遠隔操作や外部ネットワークに依存することなく、ロボット単体で周囲の環境をリアルタイムに認識し、タスクを遂行できるという。
2026年末の量産と2027年の商用納品に向けたロードマップ
XPengの製品ロードマップによると、IRONは2026年末までに規模を拡大した量産(Scaled Production)体制に入り、2027年には商業納品(商用出荷)を開始する計画となっている。
導入の初期段階では、危険を伴う作業や高度に反復的な作業を中心に担当させ、その後段階的に実社会のより幅広い用途へ展開していく見通しだ。
同社のCEO(最高経営責任者)である何小鵬(He Xiaopeng)氏は、同社のロボットについて「より人間に近く、より安全な存在になる」と述べている。遠隔操作を必要とせず、自然な対話に対応し、独自のメモリ(記憶)を備えるという。さらに何氏は、単なるデモンストレーション用のロボットを作るのではなく、現実社会で実質的な価値をもたらし、量産を実現できる製品を作り上げることが目的であると強調している。
評価額63億ドル超、ロボティクス事業で9億ドル超を調達
XPengはロボティクス事業の商業化に向けた取り組みも加速させている。同社は直近で、ロボティクス事業に関する初の資金調達ラウンドを完了した。
このラウンドでは9億ドル以上の資金を調達し、調達後の企業評価額(ポストマネー評価額)は63億ドルを超えたという。出資はIDG Capitalが主導し、Gaorong Capitalが参加したほか、Tencent(騰訊)やAlibaba(阿里巴巴)からの戦略的投資も受けた。なお、調達後もXPengグループが同事業の経営権を引き続き保持する体制となっている。