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The Hacker News

著名AIを騙るサイバー攻撃が米企業で拡大、ANY.RUNが1,200件超の事例を特定

要点

  • セキュリティ企業のANY.RUNは、2026年4月から10月にかけて著名AIを装う攻撃キャンペーンを1,258件確認したと報告した。

  • 偽装対象にはClaudeやChatGPT、GitHub Copilot、Geminiなどの名称が悪用されている。

  • 国が判明した対象の16%を米国企業が占め、偽サイトや検索連動広告、共有AIチャットが侵入経路となった。

  • 正規ツール経由でコマンドを実行させる手口により、多段階の処理を経て情報窃取型マルウェアが感染する実態が判明した。

  • 複数企業の環境を監視するセキュリティ運用代行事業者(MSSP)において、調査の重複や対応遅延が深刻化している。

  • セキュリティ解析を手がけるANY.RUNは、ClaudeやChatGPTなどの主要な生成AIサービスを装い、企業システムへの侵入を試みるサイバー攻撃が米国を中心に広がっているとする調査結果を発表した。2026年4月から10月の間に1,258件の関連事例が特定され、ブラウザの認証情報などを窃取する手口が確認されている。これにより、企業の監視を代行する専門事業者の運用負荷が増大しているという。

主要AIブランドを悪用して組織へ侵入を図る手口

ANY.RUNの発表によると、攻撃者は広く普及しているAI製品の知名度を悪用し、企業の従業員を罠に誘い込んでいる。偽装されたサービスにはClaude、ChatGPT、GitHub Copilot、Geminiなどが含まれ、悪意あるコマンドの実行や不正アプリの導入、偽の認証画面でのログイン情報入力を促す仕掛けが確認された。

攻撃の狙いは、端末へのマルウェア感染やWebブラウザに保存されたセッション情報(ログイン状態を保持する一時データ)の奪取、ビジネスアカウントの不正利用である。侵入経路には検索エンジンのスポンサー広告、正規のホスティングサービス、共有されたAIチャット、偽の配布サイトなどが使われており、国が特定された標的のうち16%を米国企業が占めている。

正規ツールを悪用した多段階の感染プロセス

ANY.RUNがサンドボックス(安全な仮想環境で疑わしいプログラムを実行・解析する仕組み)でClaudeの偽装事例を調査したところ、日常的なソフトウェア導入を装った手口が明らかになった。

被害者が公式に酷似した偽サイトでWindows版ダウンロードボタンを押すと、ファイルではなく不正なコマンドがクリップボードへ自動コピーされ、PowerShell(Windowsの管理用コマンドラインツール)での実行を促す画面が表示される。指示通りに実行すると、Windows標準のmshta.exe(HTMLアプリケーション実行ツール)が起動して不正なHTAファイルを取得し、難読化されたPowerShellの連続実行を経てインフォスティーラー(認証情報を盗み出すマルウェア)が送り込まれる。

利用者が自らコマンドを入力する点や、Windows正規ツールを悪用する点、複数段階を経て初めて悪意ある本体が現れる点から、検知は極めて難しいという。

監視を担うMSSPが直面する運用上の課題

こうした偽AI攻撃の増加は、顧客企業の監視を一括して請け負うMSSP(Managed Security Service Provider: セキュリティ運用を受託する事業者)の現場を強く圧迫している。

個別の事案は解析により追跡可能であるものの、技術やポリシーが異なる複数の顧客環境で同様の攻撃が起きると、運用の難易度は大きく跳ね上がる。侵入の痕跡となる値は事案ごとに変化する一方で、背後にある攻撃者の行動様式は共通しているため、アナリストが同様の事象に対して重複した調査を繰り返す事態に陥るという。これにより分析業務の容量が圧迫され、初動対応の遅延を招くなど、脅威の拡大に伴って一定のサービス水準を維持することが困難になっている。

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